「ピラティスはどこの国で生まれたの?」
「ピラティスを作った人は誰?」
「もともとはリハビリのために作られたって本当?」
最近ではマシンピラティスのスタジオを街中で見かけることも増え、ピラティスは身近なエクササイズのひとつになりました。
しかし、その発祥について詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。
ピラティスを考案したのは、ドイツ出身のジョセフ・H・ピラティスです。
20世紀前半に生まれた比較的新しいエクササイズですが、その歴史をたどってみると、第一次世界大戦やニューヨークのダンサーたち、そして現在のマシンピラティスにつながる専用器具の開発など、さまざまな出来事が関係しています。

さらに興味深いのが、現在スタジオで使われているリフォーマーなどのマシンも、ピラティスの歴史と深く関係していることです。
一見すると最新のフィットネスマシンのように見えますが、そのルーツをたどると100年以上前のジョセフの発想につながっています。
この記事では、ピラティスの発祥から考案者ジョセフ・ピラティスの人生、マシンピラティスが生まれた背景、ヨガとの違い、そして現代のピラティスまでわかりやすく解説します。

ピラティスをすでに始めている方も、これから始めようと思っている方も、その歴史を知るといつものエクササイズやマシンが少し違って見えてくるかもしれません。
- 第1章:ピラティスの発祥はどこ?まずは結論をわかりやすく解説
- 1-1:ピラティスを考案したのはドイツ人のジョセフ・ピラティス
- 1-2:ピラティスの原型が発展したのは第一次世界大戦中のイギリス
- 1-3:現在のピラティスが広まる大きな舞台になったのはニューヨーク
- 第2章:ピラティスの生みの親「ジョセフ・ピラティス」とは?
- 2-1:幼少期は身体が弱かったとされるジョセフ
- 2-2:体操やボクシングなどさまざまな身体訓練を研究
- 2-3:身体だけでなく「心と身体のつながり」を重視していた
- 第3章:もともと「ピラティス」という名前ではなかった?コントロロジーとは
- 3-1:ジョセフは自身のメソッドを「Contrology」と呼んでいた
- 3-2:コントロロジー=身体を意識的にコントロールする考え方
- 3-3:現在の「ピラティス」という名称へ
- 第4章:ピラティスはリハビリから生まれたって本当?
- 4-1:第一次世界大戦中にメソッドが発展
- 4-2:病院のベッドがマシンの原型になったと伝えられている
- 4-3:マシンは負荷をかけるだけではなく動きをサポートできる
- 第5章:マシンピラティスの発祥|リフォーマーはどうやって生まれた?
- 5-1:ジョセフはさまざまな専用器具を開発した
- 5-2:リフォーマーの特徴はスプリングを利用すること
- 5-3:マシンピラティスは「最近生まれた運動」ではない
- 第6章:ニューヨークでピラティスが広まった理由
- 6-1:アメリカへ渡りニューヨークで指導を始める
- 6-2:ダンサーたちから支持されるようになった
- 6-3:弟子たちによってピラティスが受け継がれていった
- 第7章:ピラティスはいつ世界に広まった?日本で普及したのはいつ?
- 7-1:1990年代に一般層へ広がっていった
- 7-2:日本でも1990年代から徐々に知られるように
- 7-3:現在はマシンピラティスも身近な存在に
- 第8章:ピラティスとヨガは同じ発祥?歴史から見る違い
- 8-1:ヨガは古代インドにルーツを持つ
- 8-2:ジョセフはヨガなどさまざまな身体訓練を研究していた
- 8-3:ピラティスとヨガの違いを比較
- 第9章:クラシカルピラティスとコンテンポラリーピラティスの違い
- 9-1:クラシカルピラティスとは
- 9-2:コンテンポラリーピラティスとは
- 9-3:100年以上前の考え方を受け継ぎながら進化している
- 第10章:100年以上続くピラティスの考え方をpiqué pilatesで体験
- 10-1:マシンを使って一人ひとりに合わせて身体を動かす
- 10-2:マンツーマンだから自分の身体に集中しやすい
- 10-3:初心者でもマシンのサポートを利用して取り組みやすい
- 10-4:発祥を知るとマシンピラティスの見え方も変わる
- 第11章:ピラティスの発祥・歴史に関するよくある質問
- 第12章:まとめ|ピラティスの発祥を知ると現在のマシンの意味が見えてくる
第1章:ピラティスの発祥はどこ?まずは結論をわかりやすく解説
「ピラティスはどこの国が発祥ですか?」と聞かれた場合、一般的には「ドイツ人のジョセフ・ピラティスが考案したエクササイズ」と説明されます。
ただし、ピラティスが現在の形へ発展していく過程では、ドイツだけでなくイギリスやアメリカも重要な舞台になっています。
その歴史を順番に見ていきましょう。
1-1:ピラティスを考案したのはドイツ人のジョセフ・ピラティス
ピラティスの生みの親は、ドイツ出身のジョセフ・H・ピラティスです。

現在「Pilates(ピラティス)」と呼ばれているエクササイズの名称は、実は考案者である彼の名字に由来しています。
ジョセフは幼い頃から身体や健康に強い関心を持ち、体操やボクシングなどさまざまな身体訓練に取り組んでいたとされています。
その後、自らの経験や研究をもとに独自の身体訓練法を発展させていきました。
つまり、ピラティスは最初から現在のようなスタジオプログラムとして作られたものではありません。
一人の人物が自分の身体と向き合い、さまざまな身体訓練を研究するなかで、その考え方が少しずつ形になっていったのです。
1-2:ピラティスの原型が発展したのは第一次世界大戦中のイギリス
ピラティスの歴史において、大きな転機となったのが第一次世界大戦です。
1914年、ジョセフはドイツのサーカス団とともにイングランドを巡業していました。
しかし、第一次世界大戦が始まるとドイツ人であったジョセフは敵国人として抑留されます。
VOGUEでは、この抑留生活のなかで、のちにピラティスと呼ばれる独自のワークアウトメソッドが確立されていったと紹介されています。
そのため、「ピラティスはドイツ発祥」と紹介されることが多いものの、現在につながるメソッドが発展した場所としてはイギリスも重要です。
1-3:現在のピラティスが広まる大きな舞台になったのはニューヨーク
戦争が終わったあと、ジョセフは最終的にアメリカへ渡ります。
そしてニューヨークにスタジオを構え、自らのメソッドを指導するようになりました。
ここでピラティスと深いつながりを持つようになったのが、ダンサーたちです。

身体を細かくコントロールする必要があるダンサーたちに支持され、ジョセフのメソッドは少しずつ知られるようになっていきました。
つまり、ピラティスの歴史を大きく整理すると、
という流れになります。
「発祥国はどこ?」という問いにひとつだけ答えるならドイツとされることが多いものの、現在のピラティスにつながる歴史には、複数の国が関わっているのです。
第2章:ピラティスの生みの親「ジョセフ・ピラティス」とは?
ピラティスの発祥を知るうえで欠かせないのが、考案者ジョセフ・ピラティスの人物像です。
現在では世界中で行われているピラティスですが、その始まりにはジョセフ自身の身体に対する強い関心がありました。
2-1:幼少期は身体が弱かったとされるジョセフ
ジョセフは幼い頃、喘息など身体の不調に悩まされていたと伝えられています。
幼少期にリウマチ熱やくる病、喘息などに苦しんでいたとされ、その経験からさまざまな身体訓練に取り組んだと紹介されています。
身体が弱かったからこそ、
「どうすれば強い身体をつくれるのか」
「健康な身体とはどのような状態なのか」
ということに強い興味を持つようになったと考えられています。
現在のピラティスから受ける「身体を細かく観察する」という印象にも、こうしたジョセフ自身の経験がつながっているのかもしれません。
2-2:体操やボクシングなどさまざまな身体訓練を研究
ジョセフが研究していたのは、ひとつの運動だけではありません。
体操やボクシング、スキー、ダイビングなどさまざまな身体訓練に取り組み、ヨガや禅などにも関心を持っていたとされています。
つまり、
「ヨガをアレンジしてピラティスができた」
「体操からそのままピラティスが生まれた」
という単純なものではありません。
ジョセフがさまざまな身体文化や運動法を学び、自分自身の経験と組み合わせながら独自の考え方へ発展させていったと考える方が自然です。
2-3:身体だけでなく「心と身体のつながり」を重視していた
現在のピラティスは「体幹を鍛えるエクササイズ」というイメージを持たれることがあります。
もちろん体幹を意識する動きは多くありますが、ジョセフが目指していたものは、単純に腹筋や背筋を鍛えることだけではありませんでした。
身体を意識的に動かし、呼吸と動きを組み合わせ、自分自身で身体をコントロールする。
さらに、身体と心を切り離して考えるのではなく、全体のバランスを大切にする。
こうした考え方が、のちに「コントロロジー」と呼ばれるジョセフ独自のメソッドにつながっていきます。
第3章:もともと「ピラティス」という名前ではなかった?コントロロジーとは
実は、ジョセフ自身は自分が考案したメソッドを「ピラティス」と呼んでいたわけではありません。
彼が使っていた名称は「Contrology(コントロロジー)」でした。
この名前を知ると、ピラティスというエクササイズが何を大切にしているのかも見えてきます。
3-1:ジョセフは自身のメソッドを「Contrology」と呼んでいた
Contrologyという言葉には、「control=コントロール」という考え方が含まれています。
筋肉をただ大きく動かしたり、勢いを使って何回も繰り返したりするのではなく、自分の身体を意識しながら動かす。
これがジョセフのメソッドの大きな特徴でした。
現代のピラティスでも、
「骨盤は今どの位置にある?」
「肋骨はどう動いている?」
「肩に余計な力が入っていない?」
など、自分の身体に意識を向けながらエクササイズを行います。
こうした特徴には、コントロロジーの考え方が受け継がれています。
3-2:コントロロジー=身体を意識的にコントロールする考え方
ピラティスでは、回数をたくさんこなすことだけを目的にしません。
呼吸しながら身体を動かし、姿勢や身体の位置を意識し、できるだけコントロールされた動きを目指します。
たとえば脚を上げるというシンプルな動きでも、
勢いで上げるのか。
体幹を意識しながらゆっくり動かすのか。
骨盤の位置を保ちながら動かすのか。
によって身体の使い方は変わります。
そのため、ピラティスでは「何回できたか」だけでなく、「どのように動いたか」も大切になります。
3-3:現在の「ピラティス」という名称へ
ジョセフが自らのメソッドをコントロロジーと呼んでいた一方、現在では考案者の名字をとって「ピラティス」と呼ばれています。
そのため、
「ピラティスという人がいたの?」
という疑問への答えは「YES」です。
現在ではエクササイズ名として当たり前に使っている「ピラティス」という言葉そのものに、考案者ジョセフ・ピラティスの名前が残っているのです。

第4章:ピラティスはリハビリから生まれたって本当?
ピラティスについて調べると、「もともとは負傷兵のリハビリのために作られた」という説明を目にすることがあります。
これはピラティスの歴史を語る際によく紹介されるエピソードですが、少し丁寧に理解しておきたい部分でもあります。
4-1:第一次世界大戦中にメソッドが発展
ジョセフは第一次世界大戦が始まる以前から、体操やボクシングなどさまざまな身体訓練を経験していました。
つまり、戦争が始まった瞬間にゼロからピラティスを考案したわけではありません。
第一次世界大戦中にイギリスで抑留され、その生活のなかで、それまで研究していた身体訓練をさらに発展させていったとされています。
VOGUEでは、マン島の収容所で独自のワークアウトメソッドが確立されたと紹介されています。
そのため、
「ピラティス=負傷兵だけのために作られた運動」
と考えるよりも、
「ジョセフが研究していた身体訓練が、戦時中の経験を通してさらに発展した」
と捉えると、その歴史を理解しやすいでしょう。
4-2:病院のベッドがマシンの原型になったと伝えられている
ピラティスの歴史のなかでも特に興味深いのが、現在のマシンにつながる器具の誕生です。
ジョセフは、身体を自由に動かしにくい人でも運動できるよう、ベッドやスプリングなどを利用した器具を考案したと伝えられています。
こうした発想が、のちのピラティスマシンへつながったという歴史があります。
現在のマシンピラティスを見たことがある方なら、
「ベッドのような形をしているな」
と思ったことがあるかもしれません。
実際、現在使われている器具の形を見ると、ベッドとスプリングという発想とのつながりを感じられるものもあります。

ただし、ピラティスの戦時中の歴史には資料によって異なる語られ方もあるため、「現在のリフォーマーがその場で完成した」という意味ではありません。
ジョセフが身体をサポートしながら運動するために器具を工夫し、その後も改良・開発を続けていった歴史として捉えるのがよいでしょう。
4-3:マシンは負荷をかけるだけではなく動きをサポートできる
「トレーニングマシン」と聞くと、重い負荷をかけて筋肉を鍛える器具を想像する方もいるでしょう。
しかし、ピラティスマシンの特徴はそれだけではありません。
スプリングによる抵抗を利用できる一方で、エクササイズによっては身体の動きをサポートする方向にも利用できます。

そのため、運動経験が少ない方でも、その人の身体に合わせて動きを調整しやすいという特徴があります。
現在のマシンピラティスが初心者にも取り入れやすい理由のひとつには、こうしたマシンの仕組みがあります。
第5章:マシンピラティスの発祥|リフォーマーはどうやって生まれた?
最近では「ピラティス」と聞くと、リフォーマーを使ったマシンピラティスを思い浮かべる方も増えているかもしれません。
しかし、マシンピラティスは最近のブームに合わせて新しく作られたものではありません。
専用器具を使うという発想そのものが、ジョセフ・ピラティスの時代から存在していました。
5-1:ジョセフはさまざまな専用器具を開発した
ジョセフは、自らのエクササイズを行うためにさまざまな器具を考案しました。
現在のピラティスでは、
リフォーマー
キャデラック/キャフォーマー
チェア
バレル
など、さまざまな器具が使われています。

それぞれ形や使い方は異なりますが、身体をさまざまな方向へ動かしたり、抵抗やサポートを利用したりしながらエクササイズを行えることが特徴です。
現在スタジオで目にするピラティスマシンにも、ジョセフが考案・発展させてきた器具の系譜が受け継がれています。
5-2:リフォーマーの特徴はスプリングを利用すること
代表的なピラティスマシンのひとつが「リフォーマー」です。
リフォーマーには、前後に動くキャリッジやスプリング、ストラップなどが備わっています。

スプリングの強さや身体の位置などを調整することで、さまざまなエクササイズを行えます。
マットピラティスの場合は、自分の体重や重力を利用して身体を動かすことが中心です。
一方、マシンピラティスでは、スプリングなどによる抵抗やサポートを利用できます。
そのため、同じような動きでも身体の状態や目的に合わせて調整しやすいことが特徴です。
5-3:マシンピラティスは「最近生まれた運動」ではない
現在、日本でもマシンピラティスのスタジオが増えています。
そのため、
「マシンピラティスは最近流行り始めた新しい運動」
と思っている方もいるかもしれません。
しかし、そのルーツをたどると100年以上前のジョセフ・ピラティスの時代につながります。
もちろん、現在のマシンは素材や構造などが進化し、指導方法にもさまざまな考え方が取り入れられています。
それでも、
「身体をより適切に動かすために器具を使う」
という発想そのものは、ピラティスの歴史のかなり早い段階から存在していました。
今見るとスタイリッシュなマシンにも、実は長い歴史があるのです。

第6章:ニューヨークでピラティスが広まった理由
ピラティスが現在のように世界中で知られるための大きな転機となったのが、ジョセフのアメリカ移住です。
ニューヨークという場所だったからこそ、ピラティスはある人たちとの強いつながりを持つようになりました。
それがダンサーです。
6-1:アメリカへ渡りニューヨークで指導を始める
第一次世界大戦後、ジョセフはアメリカへ渡り、ニューヨークにスタジオを構えました。
妻クララもジョセフとともにメソッドを支え、指導に携わったことで知られています。
ここから、現在のピラティスにつながる本格的な指導と普及が始まります。
ただし、当時から一般的なフィットネスとして誰もが知っていたわけではありません。
現在のような大規模なブームになるまでには、さらに長い時間が必要でした。
6-2:ダンサーたちから支持されるようになった
ニューヨークでジョセフのメソッドに注目した人たちのなかには、ダンサーが多くいました。
ダンスでは、柔軟性だけでなく、自分の身体を思い通りにコントロールする能力も必要です。

そのため、身体の動きを細かく意識するジョセフのメソッドとの相性がよかったと考えられます。
VOGUEでは、ピラティスの支持者には柔軟で強い身体を必要とするダンサーが多かったことが紹介されています。
現在でもダンスやスポーツなどの身体づくりにピラティスを取り入れる人がいる背景には、こうした歴史があります。
6-3:弟子たちによってピラティスが受け継がれていった
ジョセフは1967年に亡くなりました。
しかし、それでピラティスの歴史が終わったわけではありません。
ジョセフから直接指導を受けた人たちがそれぞれ活動を続け、スタジオを開いたり、次の世代へ指導したりすることでメソッドが受け継がれていきました。
この流れが、のちにさまざまな流派や指導方法が生まれる土台にもなっていきます。
一人の身体訓練法として始まったものが、弟子から弟子へと受け継がれ、やがて世界中で行われるエクササイズへ発展していったのです。

第7章:ピラティスはいつ世界に広まった?日本で普及したのはいつ?
現在では世界中にピラティススタジオがありますが、ジョセフが活動していた当時から一般の人に広く知られていたわけではありません。
大きな転機のひとつとなったのが、1990年代です。
7-1:1990年代に一般層へ広がっていった
ジョセフの死後も弟子たちによって受け継がれていたピラティスですが、長い間、ダンサーなど特定の層を中心に支持されていました。
その状況が大きく変化したのが1990年代です。
VOGUEでは、当時のアメリカで主流だった激しいエアロビクスや重量挙げとは異なる運動としてピラティスが注目され、女優やモデルからの支持も広がったことで需要が急増したと紹介されています。
ここからピラティスは、一部の専門家だけが行うものではなく、一般の人も取り入れるフィットネスへと広がっていきました。
7-2:日本でも1990年代から徐々に知られるように
日本でピラティスが紹介され始めたのも、1990年代初め頃とされています。
その後、海外の俳優やモデル、アスリートなどが取り入れていることが知られるようになり、日本でも徐々に注目が高まっていきました。
専門スタジオが増え、インストラクターを育成する環境も整っていったことで、一般の人がピラティスに触れる機会も増えていきます。

7-3:現在はマシンピラティスも身近な存在に
日本でピラティスが知られ始めた頃は、「マットの上で行うエクササイズ」というイメージを持っていた方も多いかもしれません。
しかし現在は、リフォーマーなどの専用器具を備えたマシンピラティススタジオも増えています。
最近のマシンピラティスブームだけを見ると新しいフィットネスのように感じますが、ここまで見てきたように、マシンを利用するピラティスにも長い歴史があります。
100年以上前に生まれた考え方が、時代に合わせて形を変えながら現代まで受け継がれているのです。

第8章:ピラティスとヨガは同じ発祥?歴史から見る違い
ピラティスとよく比較されるのがヨガです。
どちらもマットの上で行うことがあり、呼吸を意識するため、
「ピラティスはヨガから生まれたの?」
「ヨガとピラティスは同じもの?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、両者は発祥も歴史的背景も異なります。
8-1:ヨガは古代インドにルーツを持つ
ピラティスが20世紀前半にジョセフ・ピラティスによって体系化されたのに対し、ヨガは古代インドにルーツを持つ、はるかに長い歴史のある実践体系です。

ヨガは身体を動かすことだけを目的として生まれたものではなく、哲学や精神的な修行とも深い関係があります。
一方のピラティスは、ジョセフという一人の人物が20世紀に作り上げた身体訓練法です。
そのため、現在のスタジオでは似て見える部分があっても、成立した時代も背景も異なります。
8-2:ジョセフはヨガなどさまざまな身体訓練を研究していた
ピラティスとヨガに共通する要素があるのには理由があります。
ジョセフは、体操やボクシングなどとともに、ヨガをはじめとしたさまざまな身体訓練にも関心を持っていたとされています。
そのため、ピラティスにはヨガと共通して見える要素もあります。
ただし、
「ヨガからピラティスが直接派生した」
というわけではありません。
ジョセフがさまざまな運動や身体について研究し、それらを自身の考え方と組み合わせながら独自のメソッドを作っていったと考えるのが適切です。
8-3:ピラティスとヨガの違いを比較
両者の違いを簡単に整理すると、次のようになります。
どちらにも呼吸を大切にするという共通点がありますが、「どちらが優れている」というものではありません。
歴史や考え方の違いを知り、自分が取り組みたい方を選ぶとよいでしょう。
第9章:クラシカルピラティスとコンテンポラリーピラティスの違い
現在のピラティスには、さまざまな流派や指導方法があります。
そのため、スタジオを探していると「クラシカルピラティス」「コンテンポラリーピラティス」といった言葉を見かけることがあります。
この違いにも、ピラティスの歴史が関係しています。
9-1:クラシカルピラティスとは
クラシカルピラティスは、ジョセフ・ピラティスが考案・指導していたエクササイズや、その流れを重視する考え方です。
ジョセフから直接学んだ第一世代、その後の指導者へと受け継がれてきたメソッドを大切にします。
エクササイズ単体だけでなく、順序や流れなど、ジョセフが作り上げた体系を重視することも特徴です。
「ピラティスの原点に近い形を大切にするもの」と考えるとわかりやすいでしょう。
9-2:コンテンポラリーピラティスとは
一方、コンテンポラリーピラティスは、ジョセフのメソッドをベースにしながら、現代の身体に関する知見なども取り入れて発展してきたものです。
ジョセフが亡くなった1967年から現在までの間にも、身体に関する研究は進んでいます。
そうした知識を取り入れながら、エクササイズや指導方法を現代に合わせて発展させているのが特徴です。
9-3:100年以上前の考え方を受け継ぎながら進化している
クラシカルとコンテンポラリーは、どちらか一方だけが「正しいピラティス」という意味ではありません。
大切なのは、どちらにもジョセフが作り上げたメソッドがルーツとして存在していることです。
100年以上前に生まれたものをそのまま保存する流れがある一方で、現代の知識を取り入れながら発展させる流れもある。
その両方が存在するからこそ、現在ではさまざまな人が自分に合った形でピラティスに取り組めるようになっています。
第10章:100年以上続くピラティスの考え方をpiqué pilatesで体験
ここまでピラティスの発祥をたどってみると、現在行われているマシンピラティスにも、ジョセフの考え方がさまざまな形でつながっていることがわかります。
piqué pilatesでも、マシンを使ったマンツーマンのレッスンを行っています。
歴史を知ってから実際にマシンを見ると、これまでとは少し違った印象を持つかもしれません。

10-1:マシンを使って一人ひとりに合わせて身体を動かす
マシンピラティスの特徴のひとつが、スプリングなどを利用してエクササイズを調整できることです。
「マシン=きついトレーニングをするための器具」と思われることがありますが、ピラティスマシンは負荷をかけるだけではありません。
動きをサポートする方向にも利用できるため、身体の状態やエクササイズに合わせて調整できます。
身体の柔軟性や運動経験は人によって違います。
だからこそ、全員がまったく同じ動きを同じ強度で行うのではなく、自分に合った方法で身体を動かしていくことが大切です。
10-2:マンツーマンだから自分の身体に集中しやすい
ジョセフが自らのメソッドを「コントロロジー」と呼んでいたことからもわかるように、ピラティスでは自分の身体を意識して動かすことが大切です。
しかし、初心者が自分だけで身体の位置や動きを確認するのは簡単ではありません。
「ちゃんとできていると思ったら肩に力が入っていた」
「脚を動かしているつもりだったけれど、骨盤まで一緒に動いていた」
といったこともあります。
piqué pilatesでは、50分間のマンツーマンレッスンで、一人ひとりの身体を見ながらエクササイズを進めます。
どこを動かしているのか。
どこに力が入りすぎているのか。
左右で動きに違いがあるのか。
こうしたことを確認しながら、自分自身の身体に集中できる時間をつくります。
10-3:初心者でもマシンのサポートを利用して取り組みやすい
「ピラティスに興味はあるけれど、身体が硬いから心配」
「運動経験がほとんどない」
「マシンを使うのは難しそう」
という方もいるでしょう。
しかし、マシンピラティスは上級者だけのものではありません。
スプリングなどによるサポートを利用しながら、その人の身体に合わせてエクササイズを調整できます。
また、マンツーマンであれば周りの人と同じペースで動く必要もありません。
一つひとつの動きを確認しながら、自分のペースで取り組めます。
10-4:発祥を知るとマシンピラティスの見え方も変わる
初めてピラティススタジオに入ってリフォーマーを見ると、
「思っていたより大きい」
「ベッドみたい」
「これをどうやって使うんだろう?」
と驚く方もいるかもしれません。
しかし、その背景を知ると、この独特な形にも意味があることがわかります。
ジョセフは、自分の身体をより適切にコントロールして動かすため、さまざまな器具を考案していきました。
そして、その発想は100年以上の時間を経た現在のマシンピラティスにもつながっています。
「最近流行っているからやってみる」ことも、もちろんピラティスを始めるきっかけのひとつです。
でも、そのマシンがどこから来たのか、どのような考え方からピラティスが生まれたのかを知ってから身体を動かしてみると、レッスンの見え方も少し変わるかもしれません。
第11章:ピラティスの発祥・歴史に関するよくある質問
最後に、ピラティスの発祥や歴史についてよくある疑問をまとめます。
第12章:まとめ|ピラティスの発祥を知ると現在のマシンの意味が見えてくる
ピラティスは、ドイツ出身のジョセフ・H・ピラティスによって考案されたエクササイズです。
その歴史を簡単に振り返ると、
という流れになります。
現在では美容やボディメイクのイメージも強く、一見すると新しいフィットネスのように見えるピラティス。
しかし、その背景には100年以上にわたって受け継がれてきた歴史があります。
そして、現在スタジオに並んでいるリフォーマーなどのマシンも、単に運動を難しくするためのものではありません。
スプリングによる抵抗やサポートを利用しながら、自分の身体を意識してコントロールする。
そこには、ジョセフが「コントロロジー」と呼んだ考え方につながる部分があります。

piqué pilatesでは、50分間のマンツーマンレッスンで、一人ひとりの身体や目的に合わせながらマシンピラティスを行っています。
身体が硬い方や運動経験が少ない方でも、自分のペースで一つひとつの動きを確認しながら取り組めます。
「ピラティスって最近流行っているけど、実際どんなものなんだろう?」
そんな興味から歴史を調べてこの記事にたどり着いた方は、次は実際にマシンに触れてみてはいかがでしょうか。
100年以上前に生まれ、現在まで受け継がれてきたピラティス。
その歴史を知ったうえで身体を動かしてみると、リフォーマーのスプリングひとつにも、これまでとは少し違った意味を感じられるかもしれません。
この記事の監修者

韓梨瑛
株式会社pique 副社長
piqué pilatesインストラクター
【経歴】
幼少期からクラシックバレエを習い、昭和音楽大学バレエ科を専攻。卒業後、大手ホットヨガスタジオにて5年間インストラクターとして勤務。
その後、ピラティスインストラクターとして活動を開始し、現在インストラクター歴5年目。
現在はピラティススタジオを経営しながら、インストラクターとしても活動中。
【資格】
PHIマットI/II、リフォーマー、タワー
RYT200