健康志向の高まりやボディメイクへの関心の進化に伴い、ピラティスインストラクターという職業への注目度は年々高まっています。
しかし、いざ資格について調べ始めると、アルファベット表記の団体名や、マット・マシンといった専門用語が並び、どこから手を付ければ失敗しないのか迷ってしまう方が非常に多いのが現状です。
結論からお伝えすると、ピラティスの資格は「あなたが将来、どのようなスタイルで、誰に対して教えたいか」によって選ぶべき団体や種類が完全に異なります。
本記事では、国内外で高い信頼性を誇る主要なピラティス資格団体を徹底的に比較しました。
費用や取得期間といった現実的なデータはもちろん、2026年現在のフィットネス市場で求められている「リアルな需要」まで、未経験からプロを目指すためのロードマップをどこよりも分かりやすく解説します。
- 第1章 ピラティス資格は本当に必要?「無資格」との決定的な差と取得すべき3つの理由
- 1-1 ピラティスインストラクターは国家資格ではない(民間資格の真実)
- 1-2 無資格ではスタジオ採用・集客が極めて厳しい「信頼性の壁」
- 1-3 身体を預かるプロとして必須の「解剖学」と「安全管理」の知識が身につく
- 第2章 どれを選ぶべき?世界・国内で信頼される「主要ピラティス資格団体」4選
- 2-1 世界最大の認知度と圧倒的なシェアを誇る:PHI Pilates
- 2-2 科学的アプローチとリハビリ発祥の深い歴史:STOTT PILATES(ストットピラティス)
- 2-3 日本の大手スタジオでの採用・就職に極めて強い:BASI Pilates
- 2-4 医療従事者(理学療法士など)からの支持が絶大:Polestar Pilates(ポールスターピラティス)
- 第3章 【最重要】「マット」と「マシン」どちらの資格を先に取るべきか?2026年最新の市場価値
- 3-1 初期費用とハードルを抑えて基礎を学ぶ「マットピラティス資格」
- 3-2 【2026年現在】スタジオ求人が激増中!稼げるインストラクターになるなら「マシンピラティス資格」
- 3-3 未経験から最速でプロになるための、現実的なステップアップ戦略
- 第4章 気になる「費用・期間・難易度」を徹底比較(独学は可能か?)
- 4-1 資格取得までにかかる費用の相場(マット・マシンそれぞれの現実的な予算)
- 4-2 社会人でも働きながら通える?取得までに必要な期間とカリキュラムの仕組み
- 4-3. 「独学」でピラティス資格は取れるのか?実技と指導法の壁
- 第5章 未経験からピラティス資格を取得して「プロとして活躍する」までの4ステップ
- 5-1 ステップ1:自分の目的(副業、本業、開業)に合った資格団体・スクール選び
- 5-2 ステップ2:養成コース受講と「自主練習」「見学」の積み重ね
- 5-3 ステップ3:試験対策(筆記試験・実技指導試験)のポイント
- 5-4 ステップ4:オーディション合格と、スタジオ就職・独立開業のリアル
- 第6章 失敗しないピラティス養成スクール選びの3つのチェックポイント
- 6-1 講習日以外に、スタジオを「自主練習」のために無料開放しているか
- 6-2 資格取得後の「就職サポート」や提携スタジオの有無
- 6-3 再試験の制度や、資格維持のための「更新費用・年会費」の有無
- 第7章 ピラティス資格に関するよくある質問(FAQ)
- まとめ:資格はあなたの未来を切り拓く武器。信頼できる一歩を踏み出そう
第1章 ピラティス資格は本当に必要?「無資格」との決定的な差と取得すべき3つの理由
ピラティスを人に教えるにあたって、そもそも資格の取得は法的な義務なのでしょうか。まずは、ピラティス業界における資格の「位置づけ」と、プロとして活動する上で資格が不可欠となる本質的な理由を解説します。

1-1 ピラティスインストラクターは国家資格ではない(民間資格の真実)
日本の法律上、ピラティスインストラクターは医師や理学療法士のような「国家資格」ではありません。すべて特定の協会や企業が発行している「民間資格」となります。
つまり、極論を言えば「私は今日からピラティスインストラクターです」と名乗って指導を始めたとしても、法的に罰せられることはありません。しかし、実際のフィットネス業界やスタジオの現場において、無資格で活動しているインストラクターはほぼ皆無といっていいのが現実です。
1-2 無資格ではスタジオ採用・集客が極めて厳しい「信頼性の壁」
無資格のままではプロとして活動できない最大の理由は、「客観的な信頼性の欠如」にあります。
大手ピラティススタジオの採用オーディションや求人要件の多くには、明確に「〇〇団体などの認定資格保持者」という条件が提示されています。無資格では書類選考の段階で落とされてしまうケースがほとんどです。
また、個人でフリーランスとして活動したり、自身のスタジオを開業したりする場合でも、お客様は「信頼できるプロ」にお金を払って身体を預けたいと考えます。世界的に認知された資格を持っていることは、あなた自身の知識と技術の証明であり、集客における最も強力な武器になるのです。
1-3 身体を預かるプロとして必須の「解剖学」と「安全管理」の知識が身につく
ピラティスは、単にポーズの見栄えを良くする運動ではありません。骨格の歪みを整え、筋肉のバランスを修正していく「解剖学」に基づいたメソッドです。
資格の養成コースでは、以下のような専門知識を徹底的に叩き込まれます。
骨格や筋肉がどのように連動して動いているか(運動力学)
猫背、反り腰、O脚といった個々の体型・癖に対する適切なアプローチ方法
怪我をされている方やシニア層、妊婦の方へ向けた「禁忌(やってはいけない動き)」と軽減法
これらを体系的に学ばずに自己流で指導をしてしまうと、お客様の腰痛を悪化させてしまったり、マシンから転落させてしまったりといった重大な事故に繋がりかねません。資格取得は、あなた自身と大切なお客様を守るための「安全マージン」なのです。
第2章 どれを選ぶべき?世界・国内で信頼される「主要ピラティス資格団体」4選
ピラティスの資格を発行している団体は国内外に数多く存在しますが、世界的な認知度や国内の求人市場における信頼性を考慮すると、選ぶべき団体は自ずと絞られます。
それぞれの団体が持つ歴史、教育の特徴、そして目指す指導スタイルの違いを詳しく紐解きます。
2-1 世界最大の認知度と圧倒的なシェアを誇る:PHI Pilates
米国のカリフォルニアペンシルベニア大学のルビィ氏(教授)によって発足された「PHI Pilates(ピーエイチアイ ピラティス)」は、現在日本国内でもトップクラスのシェアを誇る資格団体です。
特徴と強み: 最大の特徴は、「トップアスリートのパフォーマンス向上」から「姿勢改善」「リハビリテーション」まで、あらゆる身体のコンディショニングに即座に対応できる実践的なカリキュラムにあります。 科学的根拠(エビデンス)に徹底的に基づいており、骨格の歪みや動きの癖をミリ単位で分析する「アセスメント(評価)」のスキルが非常に高く身につきます。
こんな人におすすめ: パーソナル指導をメインにしていきたい方、スポーツクラブやリハビリ現場で即戦力となる知識を得たい方に最適です。
2-2 科学的アプローチとリハビリ発祥の深い歴史:STOTT PILATES(ストットピラティス)
カナダに本部を置き、「ピラティス界のハーバード」とも評される世界最高峰の教育組織が「STOTT PILATES(ストットピラティス)」です。
特徴と強み: 創始者ジョセフ・ピラティス氏のクラシカルなメソッドに、現代の解剖学や生体力学(バイオメカニクス)を融合させた、極めて安全性の高い現代的(コンテンポラリー)なアプローチです。 脊椎の自然な湾曲(ニュートラル)を重視し、リハビリ専門医や理学療法士とも共同開発されているため、医療的な視点からの信頼度が群を抜いています。また、世界共通の厳格な国際ライセンスであるため、海外でインストラクターとして活動したい場合にも強い効力を持ちます。
こんな人におすすめ: 解剖学を妥協なく深く学びたい方、国際的に通用する最高峰のステータスを手に入れたい方に適しています。
2-3 日本の大手スタジオでの採用・就職に極めて強い:BASI Pilates
米国カリフォルニアに本部を置き、世界40カ国以上にネットワークを持つ「BASI Pilates(バシ ピラティス)」は、日本国内の大手専門スタジオの多くがベースに採用している非常にメジャーな団体です。
特徴と強み: 最大の特徴は、独自の「ブロックシステム」と呼ばれる、レッスンの構成(プログラミング)理論にあります。 身体を流れるように動かす「フロー(連動性)」を重視しており、エクササイズ中の美しい動きの調和、精神の集中、そして無駄のない洗練された指導法が学べます。国内の多くのスタジオがBASIのメソッドを基盤に運営されているため、就職活動時のアドバンテージが非常に大きいのが特徴です。
こんな人におすすめ: 資格取得後に大手のピラティス専門スタジオへ就職したい方、グループレッスンで流れるような心地よい指導をしたい方に強くおすすめします。
2-4 医療従事者(理学療法士など)からの支持が絶大:Polestar Pilates(ポールスターピラティス)
理学療法士のブレント・アンダーソン氏によって設立された「Polestar Pilates(ポールスターピラティス)」は、医療とリハビリテーションの融合に最も特化した団体です。
特徴と強み: クライアントの「痛みや身体の機能不全をいかに解決するか」に焦点を当てており、タッチング(身体への触れ方)の技術や、言葉がけ(キューイング)のスキルを体系的に学びます。 解剖生理学的なアプローチが基本となるため、整形外科クリニックのスタッフや、理学療法士・作業療法士といったリハビリの専門職が「キャリアアップの武器」として受講するケースが非常に多いことで知られています。
こんな人におすすめ: シニア層への指導、リハビリ目的のクライアントへのパーソナルセッションに強くなりたい医療職・トレーナーの方に最適です。
[POINT 2] piqué流・知名度だけで選ぶのは危険!「自分の目指す指導スタイル」と団体のカラーを一致させよう
「一番有名だから」「みんなが持っているから」という理由だけで何十万円もの費用を払って団体を選んでしまうのは、少しもったいない選択です。
なぜなら、団体によって「アスリート向け」「リハビリ医療向け」「流れるようなグループレッスン向け」など、得意とするキャラクター(カラー)が全く異なるからです。
資格選びで失敗しないためのpiquéからのアドバイスは、「実際にその団体の資格を持っているインストラクターのレッスンを、客観的に体験しに行くこと」です。
「この先生の教え方、すごく分かりやすくて心地いいな」「こういう指導ができるようになりたい!」と感じたその直感こそが、あなたが選ぶべき団体を示す最も確実なコンパスになります。まずは目指したい理想の姿をイメージすることから始めましょう。
第3章 【最重要】「マット」と「マシン」どちらの資格を先に取るべきか?2026年最新の市場価値
ピラティスの資格を取得する上で、避けて通れないのが「マットピラティス」と「マシンピラティス」のどちらのライセンスから取得するかという選択です。
それぞれの特徴と、現在のフィットネス市場におけるリアルな求人需要をベースに、未経験者が取るべき最も賢いステップアップ戦略を開示します。
3-1 初期費用とハードルを抑えて基礎を学ぶ「マットピラティス資格」
マットピラティスは、自身の体重(自重)をコントロールしながら床の上で行う、すべてのピラティスの「原点」とも言えるメソッドです。
メリット: 最大のメリットは、自分の身体と1枚のマットさえあればどこでもレッスンを提供できるという「手軽さ」にあります。資格取得のための費用が比較的安価で、講習日数も数日間から1週間程度と短いため、社会人が働きながらでも挑戦しやすいのが特徴です。
デメリット: 自重を支える筋力や柔軟性が必要となるため、実は運動未経験のクライアントにとっては、マシンよりもポーズの難易度が高く感じられるケースが少なくありません。また、参入障壁が低いためライバルが多く、マット資格だけではスタジオでの差別化が難しくなってきている側面もあります。
3-2 【2026年現在】スタジオ求人が激増中!稼げるインストラクターになるなら「マシンピラティス資格」
リフォーマーやキャデラックといった専用器具を使用するマシンピラティスは、現在、日本国内で爆発的な出店ラッシュが続いており、市場価値が最も高騰している資格です。
メリット: マシンのバネ(スプリング)が身体の動きをアシストしてくれるため、運動が苦手な方や高齢者でも正しいフォームを身に付けやすく、指導の効果が目に見えて早く出ます。 そして何より、「2026年現在のフィットネス業界において、マシンピラティスを教えられるインストラクターの数が圧倒的に不足している」という最大の追い風があります。スタジオからの求人案件が非常に多く、オーディションの合格率や時給単価もマットのみの保持者に比べて格段に高いのが現状です。
デメリット: 大型器具の操作方法や安全管理を学ぶ必要があるため、カリキュラムが長期に及び、受講費用も数十万円〜数百万円規模と高額になる点がハードルとなります。
3-3 未経験から最速でプロになるための、現実的なステップアップ戦略
予算と時間に余裕があるならば、最初から「マット+マシン」の総合コース(コンプリヘンシブ)を受講するのがベストですが、費用面で躊躇してしまう方も多いはずです。
未経験から無理なくプロへの切符を手にするための、最も現実的で堅実なルートは以下の通りです。
まずは「マットピラティス資格」を最速で取得する (ピラティスの基本原則や解剖学のベースを叩き込む)
マットの資格を武器に、スタジオのアルバイトやグループレッスンの副業を開始する (現場の空気感に慣れ、指導の「言葉がけ」の練習を積む)
現場で収入を得ながら、本命である「マシンピラティス資格」へ進む (稼いだ資金を次のステップの受講費に充てる)
この段階的なアプローチを踏むことで、初期投資のリスクを最小限に抑えつつ、現場で求められるハイブリッドな実力を確実に養うことができます。
[POINT 3] piqué流・市場の需要を見極める。今、業界が喉から手が出るほど欲している人材とは?
これから資格取得に投資する上で、絶対に知っておいていただきたい残酷な現実があります。それは、「ただ資格を持っているだけの人は、すでに溢れ始めている」ということです。
では、今、ピラティス業界が喉から手が出るほど欲しているのはどんな人材でしょうか?
それは、「マシンの高い技術や解剖学の知識を持ちながら、それを目の前のお客様の『分かりやすい言葉』へと翻訳して、笑顔でコミュニケーションが取れる人」です。
どんなに難解な海外の国際資格を持っていたとしても、お客様がレッスンの時間を「楽しい」「また来たい」と思えなければ、プロとして指名をいただくことはできません。
piquéが大切にしているのは、資格の肩書きに溺れない「人間力」の育成です。技術の習得と同時に、お客様の心に寄り添うマインドを育てることこそが、10年先も愛され続けるインストラクターになるための唯一のブレない王道なのです。
「つぎ」ですね!打ち間違い、お気になさらないでください。
全体のボリュームを厳密にコントロールしながら、後半の最重要データパートである第4章の執筆に入ります。
第4章 気になる「費用・期間・難易度」を徹底比較(独学は可能か?)
ピラティス資格の取得を決意する上で、最も現実的なハードルとなるのが「お金」と「時間」、そして「試験の難しさ」です。
主要団体の平均的なデータをベースに、どれくらいの投資と覚悟が必要なのか、リアルな数字を開示します。
4-1 資格取得までにかかる費用の相場(マット・マシンそれぞれの現実的な予算)
ピラティス資格の受講費用は、指導する範囲(マットかマシンか)によって大きな開きがあります。
資格の種類 | 費用の相場(受講料・教材費込) | カバーする範囲・特徴 |
マットピラティス資格 | 15万〜30万円 | 自重を使った基本のエクササイズ(約30〜50種目)の指導法を学ぶ。初期投資を抑えたい方向け。 |
マシンピラティス資格 | 40万〜80万円 | リフォーマーなど専用器具を使った指導法を学ぶ。器具の種類が増えるごとに費用が加算される。 |
総合コース(全マシン・マット) | 80万〜120万円 | すべての器具とマットを網羅するプロフェッショナルコース。一括取得のため期間も長くなる。 |
※上記の受講料のほかに、団体によっては「試験料(3万〜5万円程度)」や「年会費・更新料(1万〜2万円/年)」が別途発生するケースがあるため、事前に募集要項の総額を確認しておく必要があります。
4-2 社会人でも働きながら通える?取得までに必要な期間とカリキュラムの仕組み
養成スクールの多くは、平日に仕事を持つ社会人や、子育て中の方でも無理なく通えるようにカリキュラムを工夫しています。
講習(座学・実技)の期間:
マット資格であれば、「土日の2週末(計4〜5日間)」や「短期集中3〜4日間」といったスケジュールが一般的です。マシン資格の場合は、数ヶ月にわたり、月に数回週末に通うスタイルが多く見られます。「コース時間」と「資格取得」は別物:
ここに未経験者が陥りやすい罠があります。例えば「講習時間:30時間」と書かれていても、講習に出席するだけで資格はもらえません。試験を受けるためには、講習後に以下の「自主プロセス」を指定時間(50〜100時間程度)こなすことが義務付けられている団体がほとんどです。
自習(セルフプラクティス): 習った動きを自分で徹底的に練習する時間
指導練習(プレビュー): 友人や同期生を相手に模擬レッスンを行う時間
見学(オブザベーション): 先輩インストラクターの実際のレッスンを見て学ぶ時間
したがって、働きながら取得を目指す場合、講習期間に加えて「前後に2ヶ月〜半年程度」の自習期間を見込んでおくのが現実的です。
4-3. 「独学」でピラティス資格は取れるのか?実技と指導法の壁
結論から申し上げると、ピラティスのインストラクター資格を「完全な独学」で取得することは不可能です。
市販の参考書や動画(YouTubeなど)を見て、ピラティスの「動き」の形だけを真似することはできるかもしれません。しかし、資格を発行している主要団体はすべて、認定インストラクターによる直接の講習(対面、または厳格なオンライン指導)と、実技試験への合格を必須条件としています。
ピラティス指導の本質は、お客様の身体に直接触れて骨格を修正する「タクタイル(タッチング)」の技術や、適切なタイミングで動作を促す「キューイング(言葉がけ)」にあります。これらは、現場でプロの手法を体感し、フィードバックを受けながらでしか絶対に身につかないスキルのため、必ず養成スクールへ通う必要があります。
第5章 未経験からピラティス資格を取得して「プロとして活躍する」までの4ステップ
特別な運動経験がない完全な未経験からでも、正しいステップを踏めば、最短で半年〜1年程度でプロのインストラクターとしてデビューし、お客様から指名をもらえるようになります。
養成コースの申し込みから、実際に現場に立つまでの「4つの具体的なステップ」を解説します。
5-1 ステップ1:自分の目的(副業、本業、開業)に合った資格団体・スクール選び
まずは、将来自分がどのような働き方をしたいのか、目的を明確にすることからスタートします。
平日の夜や週末だけ、副業で教えたい: まずはスケジュール調整がしやすく、初期費用を抑えられる「マットピラティス資格」の週末コース、または短期集中コースを開講しているスクールを選びます。
本業としてスタジオに就職し、安定して稼ぎたい: 就職求人が圧倒的に多い「マシンピラティス(リフォーマー)資格」が取得でき、かつ大手のスタジオへの就職斡旋やオーディション対策などのサポートが手厚いスクールを基準に選びます。
5-2 ステップ2:養成コース受講と「自主練習」「見学」の積み重ね
スクールに入学したら、実際の講習(座学・実技)が始まります。ここで重要なのは、講習以外の時間をいかに使えるかです。
第4章でも触れた通り、合格の鍵を握るのは講習後の「自主練習(セルフプラクティス)」と「見学(オブザベーション)」です。同期の受講生とお互いに身体を借りて教え合う練習を何度も繰り返し、プロのレッスンを何度も見学して「指示の出し方」や「お客様への目配り」のノウハウを肌で盗んでいきます。
5-3 ステップ3:試験対策(筆記試験・実技指導試験)のポイント
養成カリキュラムをすべて修了すると、いよいよ資格認定試験に挑みます。試験は基本的に「筆記試験」と「実技試験」の2本立てです。
筆記試験: 解剖学の基礎(筋肉や骨の名前、関節の動く方向)や、ピラティスの歴史、各種目の原則についての問題が出題されます。テキストの内容をしっかりと暗記すれば、難易度はそれほど高くありません。
実技試験: 試験官や他の受験生を「お客様」に見立てて、実際に1時間のレッスン(または特定の種目の指導)をその場で行います。正しいフォームで自分が動けることはもちろん、「お客様の身体の癖を見抜いて、適切な修正(アジャスト)を言葉と手で伝えられるか」という指導力が厳しく審査されます。
5-4 ステップ4:オーディション合格と、スタジオ就職・独立開業のリアル
無事に試験をパスして資格を手に入れたら、いよいよプロとしての活動が始まります。
スタジオへの就職・業務委託契約: 多くの場合は、スタジオが実施する「採用オーディション(実技選考)」を受けます。最初はアルバイトや、レッスン1本ごとに報酬が支払われる「業務委託」としてスタートし、経験を積んでフリーランスとして独立したり、正社員へとステップアップしたりするのが一般的です。
デビュー直後のリアル: 最初は誰でも緊張しますが、資格の勉強で培った「解剖学の知識」と「安全管理の意識」があれば、自信を持ってお客様の前に立つことができます。一人ひとりのお客様に真摯に向き合うことで、徐々にリピーター(ファン)が増え、インストラクターとしてのやりがいが何倍にも膨らんでいきます。
第6章 失敗しないピラティス養成スクール選びの3つのチェックポイント
同じ資格団体のライセンスが取得できるコースであっても、実際に講習を受ける「養成スクール(提携スタジオ)」によって、学習の環境や卒業後のサポート体制には大きな格差があります。
入学した後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、必ず確認しておくべき3つのリアルなチェックポイントを解説します。
6-1 講習日以外に、スタジオを「自主練習」のために無料開放しているか
資格取得の合否を分ける最大の要素は、講習時間以外の「自主練習(セルフプラクティス)」です。特にマシンピラティスの場合、自宅に数十万円〜数百万円もするリフォーマーなどの大型器具を所有している人はまずいません。
練習環境の確認が必須: スクールを選ぶ際は、「授業がない日や空いている時間に、スタジオの器具を自主練習のために貸し出してくれるか(無料か、それとも有料か)」を必ず確認してください。 「講習のときしかマシンに触れない」という環境では、実技試験までにマシンの扱いを身体に染み込ませることが極めて難しくなります。自習環境の手厚さは、そのまま合格率の高さに直結します。
6-2 資格取得後の「就職サポート」や提携スタジオの有無
せっかく高額な費用と時間を投資して資格を取っても、それを活かせる現場(仕事)が見つからなければ意味がありません。
就職ルートが確立されているか: 大手のピラティススタジオが直営・運営している養成スクールであれば、成績優秀者はそのまま自社スタジオのインストラクターとして優先的に採用されたり、業界内の豊富な求人を紹介してもらえたりする大きなメリットがあります。 未経験から最短でプロとしてデビューしたい場合は、オーディション対策講座や就職斡旋システムがカリキュラムに含まれているスクールを選ぶのが最も近道です。
6-3 再試験の制度や、資格維持のための「更新費用・年会費」の有無
ピラティスの資格の多くは、一度合格すれば一生涯有効というわけではなく、定期的な更新が必要となるケースがほとんどです。
ランニングコストの罠: 「年会費(1万〜2万円程度)」が必要な団体や、資格を維持するために指定のワークショップ(継続教育単位:CEC)を定期的に受講して単位を取得しなければならない団体があります。 また、万が一実技試験に落ちてしまった場合の「再試験料」がいくらかかるのかも含め、資格を取得・維持するためにトータルで毎年どれくらいのコストが発生するのかを、入学前にシビアに計算しておくことが重要です。
第7章 ピラティス資格に関するよくある質問(FAQ)
最後は、養成スクールの説明会や体験レッスン時に、初心者の方から特に多く寄せられるリアルな疑問に一問一答形式でお答えします。
まとめ:資格はあなたの未来を切り拓く武器。信頼できる一歩を踏み出そう
ピラティスの資格取得は、決して安価な投資でも、短期間で楽に手に入る手軽な肩書きでもありません。
しかし、そこで得られる「解剖学に基づいた確かな身体へのアプローチ技術」と、世界基準の「ライセンス」は、一度取得してしまえば一生涯あなたを支え、未来のキャリアを切り拓き続ける強力な武器になります。
2026年現在、ピラティス市場、特にマシンピラティスの需要は右肩上がりの成長を続けています。この絶好のタイミングで信頼できる団体を選び、一歩を踏み出すことは、あなたの人生に新しい可能性をもたらす最高の選択になるはずです。
まずは気になる団体のワークショップを体験したり、実際にその資格を持つインストラクターのレッスンを受けに行ったりすることから、あなたのプロへのロードマップをスタートさせてみてください。
この記事の監修者

川上莉奈
piqué pilatesインストラクター
【保有資格】
・PHI Pilates Instructor 取得
【プロフィール/経歴】
piqué pilatesの在籍インストラクター。
幼少期からクラシックバレエを習い、大学を卒業後はヨガ・ピラティスのインストラクターとしてレッスン指導をメインに、店舗運営に携わる。
その後、人材業界にて企業の求人出稿や母集団形成をメインに、幅広い業種・職種の採用支援を経験。
現在はpiqué pilatesにて採用・研修マネージャーとして、社内研修の企画・実施および採用面接を担当している。