尿もれは、多くの女性が経験する症状のひとつですが、実はその背景にはさまざまな原因が潜んでいます。単なる老化現象として片付けられがちですが、適切な理解と対策によって改善が可能です。その鍵を握るのが、骨盤の底で臓器を支える「骨盤底筋」です。本記事では、尿もれのメカニズムから、ピラティスを通じて骨盤底筋と体幹を効率的に整える方法までを詳しく解説します。正しい知識とトレーニングを身につけることで、尿もれの不安を解消し、自信を持って毎日を過ごせる体作りを目指しましょう。

- 第1章 尿もれの基礎知識
- 1-1 尿もれの種類と原因
- 1-2 骨盤底筋の役割
- 1-3 年齢・出産・生活習慣の影響
- 第2章 骨盤底筋と体幹の関係
- 2-1 骨盤底筋はインナーマッスルの一部
- 2-2 呼吸と姿勢への影響
- 2-3 骨盤底筋と腰痛・姿勢改善
- 第3章 ピラティスで骨盤底筋を整える
- 3-1 呼吸と連動した筋肉の使い方
- 3-2 基本のピラティス動作
- 3-3 腹圧コントロールの重要性
- 第4章 自宅でできる骨盤底筋トレーニング
- 4-1 仰向けでの骨盤傾き運動(ペルビック・ティルト)
- 4-2 座位での骨盤底筋トレーニング
- 4-3 四つん這いでの連動トレーニング
- 4-4 日常生活で取り入れるコツ
- 4-5 トレーニングの効果を最大化するポイント
- 第5章 尿もれ改善のピラティス実践プログラム
- 5-1 初心者向けステップ
- 5-2 中級者向け強化トレーニング
- 5-3 呼吸・姿勢・筋肉を連動させるポイント
- 5-3 呼吸・姿勢・筋肉を連動させるポイント
- 第6章 ピラティス以外の生活改善ポイント
- 6-1 姿勢・歩き方の見直し
- 6-2 便秘・水分・食生活との関係
- 6-3 医療機関との併用と注意点
- 第7章 ピラティスで理想の体幹と骨盤底筋を作る
- 7-1 継続のコツとモチベーション維持
- 7-2 日常で意識できる骨盤底筋の使い方
- 7-3 尿もれを気にせず暮らすための総まとめ
第1章 尿もれの基礎知識
1-1 尿もれの種類と原因
尿もれは、多くの女性が経験する症状のひとつですが、実はその背景にはさまざまな原因が潜んでいます。単なる老化現象として片付けられがちですが、適切な理解と対策によって改善が可能です。
腹圧性尿失禁: 腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、重い荷物を持ち上げるなどお腹に力がかかる瞬間に尿が漏れるタイプです。日本の女性の約30%は経験すると言われており、特に出産経験のある方や中高年以降の女性に多く見られます。これは、骨盤底筋の支持力が低下し、膀胱や尿道を支えられなくなることが原因です。腹圧性尿失禁の具体的な例として、例えば階段を上がった瞬間や、犬の散歩で引っ張られた瞬間に尿がもれる、といった日常的なシーンが挙げられます。こうした「ちょっとした動作で漏れる」症状は、生活の質を大きく下げるだけでなく、外出や運動への不安につながることがあります。
切迫性尿失禁: 切迫性尿失禁は、強い尿意を感じた瞬間にトイレまで我慢できずに漏れてしまうタイプです。これは膀胱が過敏に反応することで起こることが多く、神経系や膀胱自体の異常が関与することもあります。例えば会議中や映画館で席を立つタイミングを逃したときに漏れる、といったケースです。切迫性尿失禁は、腹圧性尿失禁と併発することもあり、両方の症状が混ざった「混合性尿失禁」として現れることがあります。症状の現れ方によっては、日常生活だけでなく仕事や趣味の活動も制限されるため、早めの対応が望まれます。
混合性尿失禁: 混合性尿失禁は、腹圧性と切迫性の両方が組み合わさったタイプで、症状が複雑です。例えばくしゃみで少量漏れる一方で、強い尿意を感じたときには我慢できずに大量に漏れてしまうことがあります。こうしたケースは、骨盤底筋の弱さだけでなく、膀胱の過敏性や神経機能の影響も関わっているため、対策も多角的に行う必要があります。
生活習慣や環境の影響: 尿もれは筋力や年齢の影響だけではありません。姿勢の悪さ、便秘、水分摂取の不規則さ、肥満、喫煙などの生活習慣も骨盤底筋に負担をかけます。さらに長時間のデスクワークや重い荷物の持ち運びなども、知らず知らずのうちに尿もれのリスクを高める要因になります。
1-2 骨盤底筋の役割
骨盤底筋は、骨盤の底を支える筋肉群であり、膀胱、子宮、直腸などの臓器を支えています。この筋肉群が弱まると、排尿のコントロールが難しくなるだけでなく、腰痛や姿勢の崩れも引き起こすことがあります。
骨盤底筋の構造: 骨盤底筋は複数の筋肉で構成され、ハンモックのように骨盤を支えています。
恥骨尾骨筋群: 恥骨から尾骨まで伸び、膀胱や子宮を支える役割を担います。
外肛門括約筋: 排泄のコントロールに直接関与する筋肉です。
会陰筋群: 骨盤底の中心部を補強し、全体の強度を保ちます。
体幹インナーマッスルとの連動: さらに、骨盤底筋は腹横筋、横隔膜、多裂筋などの体幹インナーマッスルと連動しています。これらが協調して機能することで腹圧を適切に調整し、脊柱や骨盤を安定させることが可能です。
骨盤底筋が弱くなった際の影響: 筋力が低下すると、尿もれや便秘、腰痛、姿勢の乱れ、下腹部のたるみ、さらには体幹の不安定さを引き起こします。つまり骨盤底筋は、尿もれ防止という側面だけでなく、身体全体の安定性や健康維持において極めて重要な役割を担っているのです。
1-3 年齢・出産・生活習慣の影響
出産経験: 出産時には骨盤底筋が物理的に大きく引き伸ばされ、損傷することがあります。特に複数回の出産や難産、巨大児の出産などの場合は、その影響が長期にわたって残ることがあります。分娩時に骨盤底筋や周囲の靭帯が傷つくと、尿道を締める支持力が損なわれ、腹圧性尿失禁のリスクが顕著に高まります。
加齢: 加齢に伴い、女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、筋肉や尿道周囲の粘膜、靭帯の弾力性が低下します。これにより骨盤底筋の支持力も徐々に弱まり、尿もれや姿勢の不安定さを招く原因になります。特に閉経を迎える50代以降の女性において、この影響が顕著に現れることが統計的に示されています。
生活習慣の積み重ね: 運動不足による全般的な筋力低下に加え、長時間の猫背姿勢や骨盤の歪みは、骨盤底筋に不自然な負荷をかけ続け、その働きを阻害します。また、慢性的な便秘や肥満は持続的に高い腹圧をかけ、骨盤底筋を疲弊させます。さらに喫煙は微小な組織の血流を悪化させ、筋肉の回復力を著しく低下させます。これら負の要因を一つずつ改善していくことが、尿もれのリスクを根本から下げる鍵となります。

第2章 骨盤底筋と体幹の関係
2-1 骨盤底筋はインナーマッスルの一部
骨盤底筋は、単独で存在する筋肉ではなく、体幹のインナーマッスル群の一部として機能しています。体幹の安定を司るインナーマッスルには、腹横筋、多裂筋、横隔膜があり、これらが骨盤底筋と連動することで体幹が安定します。
骨盤底筋とインナーマッスルの連動
腹横筋: お腹の深層にある筋肉で、体幹をコルセットのように支えます。息を吐くときに骨盤底筋と連動して収縮します。
多裂筋: 背骨を支える深層の筋肉で、姿勢保持に関与します。骨盤底筋と一緒に働くことで腰の安定性を保ちます。
横隔膜: 呼吸の主筋です。吸うときに下がり、吐くときに上がる際、骨盤底筋も連動して動きます。
この連動が崩れると、腹圧の調整が難しくなり、尿もれや腰痛、姿勢不良を引き起こす可能性があります。
骨盤底筋の具体的な働き
排尿・排便のコントロール: 骨盤底筋は尿道や肛門を締める役割を持ちます。筋力が弱まると尿や便を抑える力が不足し、腹圧がかかった瞬間に漏れることがあります。
臓器の支持: 膀胱、子宮、直腸などの臓器をハンモックのように支えます。筋力が低下すると臓器下垂やポッコリ下腹部の原因にもなります。
姿勢・体幹の安定: 骨盤底筋がしっかり働くことで、腹圧を適切にコントロールでき、腰痛や猫背の予防に繋がります。
2-2 呼吸と姿勢への影響
骨盤底筋は呼吸とも密接に関係しています。横隔膜の動きと連動し、呼吸のたびに軽く収縮・弛緩します。この動きを意識することで、骨盤底筋の働きを効率よく鍛えることが可能です。
呼吸と骨盤底筋の関係
吸うとき: 横隔膜が下がり、骨盤底筋もやや下がります。
吐くとき: 横隔膜が上がり、骨盤底筋も収縮して腹圧をコントロールします。
呼吸と骨盤底筋のタイミングを合わせることで、腹圧性尿失禁の予防や姿勢改善につながります。
姿勢への影響
骨盤底筋が弱いと、姿勢にも変化が現れます。
骨盤が前傾または後傾しやすくなります。
背骨や腰椎への負担が増え、腰痛リスクが高まります。
下腹部がポッコリし、体幹が不安定になります。
正しい呼吸と骨盤底筋の使い方を身につけることで、姿勢改善と体幹安定を同時に実現できます。
2-3 骨盤底筋と腰痛・姿勢改善
骨盤底筋は腰痛や姿勢の改善にも役立ちます。なぜなら骨盤底筋は体幹インナーマッスルの土台であり、ここが安定することで腰や背骨の負担を軽減できるからです。
骨盤底筋が弱いと起こる問題
腰痛や股関節痛を引き起こします。
猫背や骨盤の歪みにつながります。
下腹部のたるみや体幹の不安定を招きます。
逆に骨盤底筋を鍛え、呼吸と連動させることで、腰痛の軽減、姿勢改善、下腹部の引き締め、尿もれ予防といった複数のメリットが得られます。
日常生活での意識ポイント
椅子に座るときは骨盤を立てるようにします。
息を吐くタイミングで骨盤底筋を軽く締めるよう意識します。
重いものを持つときも腹圧を意識して骨盤底筋を働かせます。
こうした意識の積み重ねが、骨盤底筋の機能を向上させ、尿もれ予防だけでなく姿勢改善にもつながります。

第3章 ピラティスで骨盤底筋を整える
3-1 呼吸と連動した筋肉の使い方
ピラティスは、呼吸と筋肉の連動を意識して体幹を整える運動法です。骨盤底筋は単独で鍛えるよりも、呼吸や腹圧と連動させる方が効果的です。
骨盤底筋と呼吸の関係
吸うとき: 横隔膜が下がり、骨盤底筋も自然に下がります。
吐くとき: 横隔膜が上がり、骨盤底筋は収縮します。
意識ポイント: 吐くときに「骨盤底筋を軽く引き上げる感覚」を意識することが重要です。
この呼吸と骨盤底筋の連動は、腹圧性尿失禁の予防や改善に直結します。呼吸と連動させることで、筋肉を効率よく使い、姿勢の安定にもつながります。
3-2 基本のピラティス動作
骨盤底筋を整えるためのピラティスでは、仰向け、座位、四つん這いなどの基本姿勢から始めるのが安全です。
仰向けの骨盤傾き運動(ペルビック・ティルト)
仰向けに寝て膝を立てます。
息を吸いながら背中を床に押し付けるように骨盤を後傾させます。
息を吐きながら骨盤を前傾し、同時に骨盤底筋を軽く締めます。
これを10回ほど繰り返します。 この運動を通じて、骨盤底筋と腹横筋、多裂筋の連動を明確に体感できます。
座位での骨盤底筋意識トレーニング
椅子に深く座り、骨盤を垂直に立てます。
息を吐きながら骨盤底筋を軽く上に引き上げるように締めます。
息を吸うときにゆっくりと力を抜きます。
1日数回、1回につき5〜10回行います。 日常生活の中で場所を選ばず簡単に取り入れられるため、習慣化しやすいメリットがあります。
3-3 腹圧コントロールの重要性
骨盤底筋は腹圧の調整役でもあります。腹圧とはお腹の内圧のことで、体幹の安定や排尿・排便のコントロールに深く関わります。
腹圧コントロールの具体例
重い荷物を持ち上げるときに骨盤底筋を意識して軽く締めます。
咳やくしゃみが出る瞬間に、先んじて骨盤底筋を使って膀胱を支えます。
あらゆる運動時に呼吸と骨盤底筋を連動させます。
腹圧を適切にコントロールできるようになると、尿もれを防ぎながら日常生活のあらゆる動作を安定させることが可能です。
ピラティス実践のメリットまとめ
骨盤底筋を日常生活で自然に使えるようになります。
姿勢や体幹の安定性が劇的に向上します。
腹圧性尿失禁の具体的な予防・改善につながります。
下腹部や腰まわりの筋肉も効率的に鍛えられ、シルエットが整います。
第4章 自宅でできる骨盤底筋トレーニング
4-1 仰向けでの骨盤傾き運動(ペルビック・ティルト)
自宅で最も取り入れやすい骨盤底筋トレーニングは、仰向けで行う骨盤傾き運動です。腰や膝に負担をかけずに骨盤底筋と体幹インナーマッスルを同時に鍛えられます。
手順:
仰向けに寝て膝を立てます。
息を吸いながら背中を床に押し付け、骨盤を後傾させます。
息を吐きながら骨盤を前傾させ、骨盤底筋を軽く引き上げます。
10〜15回を1セットとし、1日2〜3セット行います。
ポイント: 骨盤底筋の収縮を意識し、腰が浮かないようにして、呼吸と筋肉の動きを連動させます。この運動は、骨盤底筋だけでなく、腹横筋や多裂筋も連動して鍛えられるため、体幹安定や腰痛予防にもつながります。
4-2 座位での骨盤底筋トレーニング
座った状態でも骨盤底筋を意識することが可能です。デスクワーク中やテレビを見ながら取り入れられる簡単な方法です。
手順:
椅子に腰かけて骨盤を立てます。
息を吐きながら骨盤底筋を軽く締めます。
息を吸いながら力を抜きます。
5〜10回繰り返します。
応用: 両手を胸の前で組み肩の力を抜くことや、足裏を床につけ骨盤を安定させることが効果的です。デスクワーク中に意識するだけでも筋肉の活性化につながります。
4-3 四つん這いでの連動トレーニング
四つん這いで行う動きは、骨盤底筋と体幹の連動をさらに強化します。
キャット&カウ(Cat & Cow)応用:
四つん這いになり、手は肩幅、膝は腰幅に開きます。
息を吸いながら背中を反らし(カウ)、骨盤底筋を軽く緩めます。
息を吐きながら背中を丸め(キャット)、骨盤底筋を締めます。
10回を1セット、1日2セット行います。 この動きにより、呼吸・骨盤底筋・背骨の柔軟性を同時に鍛えられます。
4-4 日常生活で取り入れるコツ
日常の動作とトレーニングを連動させることで、自然に骨盤底筋を強化し、尿もれ予防につなげることができます。
トイレに行く前や咳・くしゃみの前に骨盤底筋を軽く締めます。
階段を上るときや荷物を持ち上げるときに骨盤底筋を意識します。
歯磨きや料理中など、立っている時間に軽く締める習慣をつけます。
4-5 トレーニングの効果を最大化するポイント
呼吸と連動させる: 骨盤底筋は呼吸と密接に連動するため、力任せに締めるだけでは逆効果です。
正しい姿勢で行う: 骨盤が後傾・前傾しすぎると筋肉が働きにくくなります。
継続すること: 1回数分の運動では効果が出ないため、毎日少しずつでも継続することが重要です。

第5章 尿もれ改善のピラティス実践プログラム
5-1 初心者向けステップ
尿もれ改善のためのピラティスは、段階的に筋肉と呼吸の連動を覚えることが重要です。最初は無理をせず、基本姿勢と呼吸を意識することから始め、徐々に身体を慣らしていきます。
ステップ1:呼吸と骨盤底筋の意識
仰向けで膝を立てたリラックスした姿勢をとります。
息を吸いながら骨盤底筋を緩めます。
息を吐きながら骨盤底筋を軽く中へ引き上げる感覚を持ちます。
10回を1セットとし、1日2〜3セット行います。
ポイントは力任せにギュッと締めず、繊細な呼吸と連動させることです。
ステップ2:骨盤傾き運動(ペルビック・ティルト)
仰向けで骨盤を前後にゆっくりと転がすように傾けます。
骨盤底筋と、お腹のコルセットである腹横筋、背骨を支える多裂筋の連動を意識します。
10〜15回を1セットとし、1日2セット行います。
ステップ3:座位トレーニング
椅子に座って骨盤を垂直に立てます。
息を吐くと同時に骨盤底筋を締め、吸う動作に合わせて力を抜きます。
5〜10回を1セット行います。
初心者は1日合計10分〜15分程度の実施で十分です。まずは「毎日決まった時間にやる」という習慣化を最優先の目標にしましょう。
5-2 中級者向け強化トレーニング
骨盤底筋の収縮と弛緩の感覚をつかめるようになったら、次は重力や動きを加えて体幹全体の連動をさらに強化します。
四つん這いでのキャット&カウ応用
肩の下に手首、股関節の下に膝がくるように四つん這いの姿勢をとります。
息を吸いながら胸を開いて背中を反らします(カウ姿勢)。
息を吐きながら背中を高く丸め、同時におへそを覗き込むように骨盤底筋を締めます(キャット姿勢)。
10回を1セットとし、1日2セット行います。
ブリッジ(骨盤リフト)
仰向けで膝を立て、足は腰幅に開きます。
息を吐きながら、背骨を一節ずつ剥がすように骨盤を床から持ち上げます。
上げた状態で骨盤底筋を意識し、5秒間キープします。
息を吸いながら、今度は上から順にゆっくりと骨盤を床へ下ろします。
10回を1セットとし、1日2セット行います。
ブリッジは骨盤底筋だけでなく、お尻(臀部)や腹横筋も同時に鍛えられるため、尿もれ予防において非常に高い効果を発揮します。
5-3 呼吸・姿勢・筋肉を連動させるポイント
ピラティスの真髄は、呼吸・姿勢・筋肉の動きの3つを完全に連動させることにあります。これらがバラバラでは十分な効果は得られません。
呼吸: 「息を吐く=お腹を薄くし、骨盤底筋を引き上げる」というリズムを身体に叩き込みます。
姿勢: 骨盤をニュートラルな位置に安定させ、常に背骨を長く伸ばすエロンゲーション(伸長)を意識します。
筋肉: インナーユニット(横隔膜・多裂筋・腹横筋・骨盤底筋)を一つのユニットとして連動させ、深い部分からの安定性を生み出します。
この3つの要素がうまく連動するようになると、日常生活での腹圧コントロールが驚くほど効率的になり、尿もれの具体的な予防・改善へと繋がっていきます。
日常生活へのさらなる応用
咳やくしゃみがきそうになったら、その瞬間の前にあらかじめ骨盤底筋を軽く締める準備をします。
階段の上り下りや買い物袋を持つなどの動作でも、筋肉の連動を意識して腹圧を管理します。
長時間座りっぱなしの際も、時折骨盤を立て直して呼吸と連動させる癖をつけましょう。
5-3 呼吸・姿勢・筋肉を連動させるポイント
ピラティスでは、呼吸・姿勢・筋肉の動きの3つを連動させることが重要です。
呼吸: 息を吐くときに骨盤底筋を引き上げる感覚を持ちます。
姿勢: 骨盤を安定させ、背骨をまっすぐ保つ意識を忘れないようにします。
筋肉: 腹横筋・多裂筋・骨盤底筋をユニットとして連動させます。
この3つがうまく連動すると、日常生活での腹圧コントロールが効率的になり、尿もれの予防・改善につながります。
日常生活への応用
咳やくしゃみの前に、あらかじめ骨盤底筋を軽く締める意識を持ちます。
階段の上り下りや荷物を持つ動作でも、同様に筋肉の連動を意識します。
長時間座る際も、骨盤を立てて呼吸と連動させる癖をつけます。
第6章 ピラティス以外の生活改善ポイント
ピラティスで骨盤底筋を鍛えることは尿もれ改善に非常に効果的ですが、日常生活での習慣や姿勢の見直しも同時に行うことで、その効果を最大化できます。
6-1 姿勢・歩き方の見直し
姿勢が悪いと骨盤底筋が正しく働かず、筋肉の緊張や伸びすぎによって尿もれのリスクが高まります。
姿勢の影響
猫背: 骨盤が後傾し、骨盤底筋が常に伸びきった状態になります。
骨盤前傾: 腰が反り、骨盤底筋の適切な収縮が妨げられます。
左右の偏り: 筋力のバランスを崩し、特定の部位に負担をかけます。
正しい姿勢のポイント
立つときはかかとに体重を乗せ、骨盤をやや立てる意識を持ちます。
背骨をまっすぐ伸ばし、肩の力を抜きます。
頭の位置は首の延長線上で自然に保ちます。
歩き方の工夫
歩くときは骨盤底筋を軽く意識して、腹圧をコントロールします。
歩幅を大きくしすぎず、自然なリズムで歩くことが大切です。
腰や骨盤の回旋を意識することで、体幹の安定性を保ちます。
正しい姿勢と歩き方を習慣化することで、骨盤底筋が自然に働き、尿もれの予防につながります。
6-2 便秘・水分・食生活との関係
尿もれは骨盤底筋の筋力だけでなく、腸内環境や生活習慣にも大きく影響されます。
便秘対策
便秘により排便時に強い腹圧がかかると、骨盤底筋に大きな負担がかかり、筋力低下を招くことがあります。
食物繊維や水分を意識的に摂り、適度な運動で腸の動きを促しましょう。
水分摂取の管理
水分不足で尿が濃くなると膀胱が刺激されやすくなり、切迫性尿失禁が起こりやすくなります。
水分はこまめに摂取し、利尿作用のあるカフェインやアルコールの摂取量には注意が必要です。
食生活の改善
塩分過多を避け、筋肉の維持に役立つ高タンパク・低脂肪の食事を意識しましょう。
発酵食品や野菜を積極的に摂取し、腸内環境を整えることも尿もれ予防に繋がります。
6-3 医療機関との併用と注意点
セルフケアだけで改善が難しいケースや、他の疾患が隠れている場合もあります。
受診の目安
尿に血が混じる、排尿困難や痛みがある。
急激に尿もれの量や頻度が増えた。
日常生活に著しい支障が出ている。
専門的な治療との組み合わせ
医療機関で原因を確認しつつ、ピラティスや生活改善を並行することで、より安全に効果的な改善が期待できます。
必要に応じて物理療法や薬物療法と組み合わせ、正しいトレーニングフォームの指導を受けることも有効です。

第7章 ピラティスで理想の体幹と骨盤底筋を作る
7-1 継続のコツとモチベーション維持
尿もれ改善や体幹強化のためには、短期間の集中トレーニングではなく、長期的な習慣化が最も重要です。
目標を小さく設定する: 最初から完璧を目指さず、1日5〜10分程度の短い時間から始めましょう。
タイミングを固定する: 「朝起きた時」や「寝る前」など、生活リズムの中に組み込むことで忘れずに継続できます。
記録をつける: 体調の変化やトレーニングの実施状況をメモすることで、自分の進歩を可視化し自信に繋げます。
楽しみながら行う: 自分の体の感覚に意識を向け、変化を楽しむ心の余裕を持つことが継続の秘訣です。
7-2 日常で意識できる骨盤底筋の使い方
トレーニングの時間以外でも、日常の何気ない動作に「締める意識」を組み込むことで、体幹の安定性がさらに強化されます。
立ち姿勢での意識: 立っているときに膝を軽く緩め、骨盤底筋をそっと引き上げるように意識します。
動作の瞬間に締める: 階段の上り下り、重い荷物を持つ際、または咳やくしゃみの直前に骨盤底筋を締めることで、膀胱への急激な圧力を防ぎます。
無意識の活性化: これらの意識を繰り返すことで、最終的には意識しなくても筋肉が適切に働く状態を目指します。
7-3 尿もれを気にせず暮らすための総まとめ
本記事で紹介したステップを統合し、尿もれの不安がない自信に満ちた生活を取り戻しましょう。
骨盤底筋を理解する: 尿もれの主な原因が筋力低下にあることを正しく理解します。
ピラティスを実践する: 呼吸と連動させた基本動作を毎日の日課にします。
生活習慣を整える: 姿勢、歩き方、食生活、便秘対策など多角的に改善を図ります。
医療と適切に付き合う: 症状が改善しない場合や不安があるときは、無理せず専門医に相談します。
ピラティスを通じて骨盤底筋と体幹を整えることは、尿もれ対策だけでなく、一生歩ける強い体作りにも繋がります。今日から始める小さな一歩が、将来の快適でアクティブな毎日を作り上げます。
Type Something
この記事の監修者

韓梨瑛
株式会社pique 副社長
piqué pilatesインストラクター
【経歴】
幼少期からクラシックバレエを習い、昭和音楽大学バレエ科を専攻。卒業後、大手ホットヨガスタジオにて5年間インストラクターとして勤務。
その後、ピラティスインストラクターとして活動を開始し、現在インストラクター歴5年目。
現在はピラティススタジオを経営しながら、インストラクターとしても活動中。
【資格】
PHIマットI/II、リフォーマー、タワー
RYT200