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ピラティスと整体は何が違う?選び方・効果・費用の違いを徹底比較

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ピラティスと整体は何が違う?選...

「肩こりや腰痛を根本から治したいけれど、整体とピラティス、どちらが正解?」 このような悩みに対し、多くのメディアでは「整体は他力、ピラティスは自力」という簡潔な答えで済ませてしまいます。しかし、実際に自分のお金と時間を使うとなれば、その程度の情報では不十分です。

ピラティスと整体は、アプローチの出発点が異なるだけでなく、筋肉への作用、神経系への影響、さらには長期的なコストパフォーマンスにおいても大きな差があります。

本記事では、ピラティスと整体の根本的な違いを皮切りに、それぞれのメリット・デメリット、痛みや姿勢改善における具体的なメカニズム、そして両者を組み合わせることで得られる相乗効果について、専門的な知見から徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたがどのフェーズでどちらを選ぶべきか、その「最適解」が明確にわかります。

第1章 ピラティスと整体の違いとは?基本の考え方を理解しよう

ピラティスと整体は、どちらも身体の不調を改善し、健康な状態へ導くための手段ですが、その設計思想は対極にあります。この章では、それぞれの成り立ちと、アプローチの核となる「主体性」について、医学的・歴史的背景から深く掘り下げていきます。

1-1 ピラティスは「身体のOS」を書き換える運動学習

ピラティスを単なるエクササイズや筋トレと捉えるのは間違いです。その本質は「運動学習(モーターラーニング)」、つまり脳が身体へ送る指令のパターンを修正することにあります。

  • 歴史的背景:リハビリテーションから始まった「知性」の運動 ピラティスは、ジョセフ・ピラティス氏が第一次世界大戦中に負傷兵のベッドにスプリングを取り付け、寝たままの状態でも筋力を回復させ、免疫力を高めるために考案したリハビリ手法が起源です。当時は「コントロロジー(制御学)」と呼ばれており、単に筋肉を肥大させるのではなく、自分の意志で骨格をミリ単位で「コントロール」することを重視していました。

  • 解剖学的な役割:インナーユニットの再教育 ピラティスがターゲットにするのは、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋、横隔膜といった「インナーユニット」です。これらは家でいえば「土台」と「柱」に相当します。長年のデスクワークやスマホの使用でこれらがサボるようになると、外側の筋肉(アウターマッスル)が過剰に働き、それが肩こりや腰痛として現れます。ピラティスは、呼吸をトリガーにしてこれら深層筋にスイッチを入れ直し、骨格を内側から支える力を取り戻します。

  • 主体的なアプローチ:脳の「地図」を書き換える ピラティスにおいて、インストラクターはあくまで「ガイド」です。実際に筋肉を動かし、その感覚を脳にフィードバックするのはあなた自身です。この「能動的に動く」というプロセスによって、脳内のボディマップ(自分の身体がどこにあるかという感覚)が修正され、無意識のうちに正しい姿勢を維持できる状態へと導かれます。

1-2 整体は「身体の構造」を一時的にリセットする手技

一方、整体は物理的なアプローチによって、現在の身体の構造的な問題を解決しようとする手段です。

  • 多様な手法の混在:物理的な制限の解除 整体には、中国古来の推拿(すいな)や、西洋のカイロプラクティック、オステオパシー、さらには日本独自の古武術由来の技法など、さまざまな流れが混在しています。基本的には、外部からの手技(揉む、揺らす、圧をかける、矯正する)によって、筋肉、筋膜、関節の「制限」を取り除くことを目的としています。

  • 物理的な除圧と循環の改善:負の連鎖の断ち切り 凝り固まった筋肉は、周囲の毛細血管を圧迫し、血流を阻害します。血流が悪くなると、痛みを引き起こす物質がその場に留まり、さらに筋肉を硬直させるという負の連鎖が起こります。整体は、物理的な圧力や振動によってこの癒着を剥がし、血流を再開させることで、一時的に「身体が軽く、動かしやすい状態」を強制的に作り出します。

  • 受動的なアプローチ:深いリラックスと沈静化 整体の主体は「施術者」です。あなたはベッドに横たわり、プロの技術に身を委ねることで、自分の努力なしに身体の変化(緩和)を得ることができます。これは、自力では解消できないほどの強い緊張や痛みがある場合や、精神的な疲労が強く、運動するエネルギーが残っていない場合に、極めて有効な手段となります。

1-3 「身体を変える主体」の決定的な違い

ピラティスと整体の最大の違いを議論する際、最も重要なのは「変化の定着率」と「依存性」の有無です。

  • ピラティス(セルフマネジメント):スキルの習得 自分の筋肉で姿勢を支える訓練をするため、セッションが終わった後も、その効果はあなたの「スキル」として身体に残ります。料理に例えるなら、整体は「完成された料理を食べる(結果の享受)」、ピラティスは「料理の仕方を学ぶ(技術の習得)」と言えます。一度身につけたスキルは、24時間、一生あなたを支えます。

  • 整体(エクステナルマネジメント):環境の整備 外部からの刺激で整えられた状態は、あくまで「借り物」の姿勢です。脳が「古い歪んだ姿勢」を正解だと記憶しているため、ホメオスタシス(恒常性)によって、早ければ数時間、長くても数日で元の歪んだ状態へと引き戻されてしまいます。自力で支える筋力が伴わない限り、定期的な「再リセット」が必要になるのが整体の特性です。

1-4 資格と専門性の違いから見る信頼性

選ぶ際の基準として、提供側の「バックグラウンド」の違いも知っておくべきです。

  • ピラティス指導者:解剖学的運動指導のプロ 解剖学に基づいた運動指導のプロです。国際的な認定資格(PMA、STOTT PILATESなど)を持つ指導者は、数百時間の座学と実技研修、そして厳しい試験を経て、個々の身体の癖を見抜き、禁忌(やってはいけない動き)を考慮しながらプログラミングを行う能力を養っています。

  • 整体師:多様な手技と経験の専門家 日本において「整体」という言葉自体には国家資格が存在しません。柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師といった国家資格者が整体を名乗ることもあれば、独自の流派で学んだ民間資格者が施術することもあります。そのため、提供される技術の差が非常に大きく、その施術者がどのような解剖学的根拠に基づいてアプローチしているかを慎重に見極める必要があります。

POINT 1

piquéが考える最高のケアとは、専門家を単なる「修理屋」としてではなく、自分の身体の「通訳者」として活用することです。整体で「ここが凝っていますね」と指摘されたら、それはあなたの日常の「動作エラー」の結果です。その情報を持ち帰り、ピラティスの際に「なぜそこに負担がかかるのか?どう動かせばこのコリを防げるか?」と深掘りする。この他力と自力の情報の往復こそが、改善速度を飛躍的に高める唯一の鍵となります。

第2章 ピラティスと整体の効果の違い|解剖学・神経科学から見た徹底比較

「結局、どっちが早く変わるの?」という疑問に対し、ここでは4つの観点から両者のメカニズムを解剖します。表面的な「スッキリ感」の裏側で、身体の内部では何が起きているのかを理解することで、賢い選択が可能になります。

2-1 即効性と持続性のトレードオフ:脳の「ホメオスタシス」との戦い

「すぐ楽になりたい」か、「ずっと楽でいたい」か。この違いは、脳が身体の状態をどう記憶しているかに関係します。

  • 整体の即効性(一時的な感覚の麻痺と血流改善): 整体の施術は、皮膚や筋肉にある「受容器」を刺激し、脳へ「リラックス」の信号を送ります。また、物理的に筋肉を圧迫・解放することで、滞っていた老廃物が一気に流れ、数十分で「身体が軽い」という体感を生みます。しかし、脳の深部では「長年の歪んだ姿勢」が正解だと記憶されているため、ホメオスタシス(恒常性)が働き、数日以内に元の悪い状態へと引き戻そうとします。これが「整体に行ってもすぐ戻る」の正体です。

  • ピラティスの持続性(ニューロプラスティシティ:脳の可塑性): ピラティスは、正しい動きを何度も反復することで、脳の神経回路そのものを書き換えます。これを「ニューロプラスティシティ(脳の可塑性)」と呼びます。自ら筋肉をコントロールし、新しい骨格の位置を「これが正しいデフォルト設定だ」と脳に再教育するため、一度身についた効果は、施術のように消えてなくなることがありません。時間はかかりますが、リバウンドのない身体への唯一のルートです。

2-2 痛みに対するアプローチ:発痛物質の除去か、力学的ストレスの分散か

肩こりや腰痛といった「痛み」に対し、両者は全く異なる戦略をとります。

  • 整体の鎮痛メカニズム:代謝の促進と除圧 筋肉が凝り固まると「虚血状態(血が通わない状態)」になり、ブラジキニンなどの発痛物質が蓄積されます。整体は、手技によって物理的に筋肉を緩め、血流を再開させることでこれらの物質を押し流します。また、狭まった関節のスペースを広げることで、神経への圧迫を一時的に取り除く「除圧」の効果も期待できます。まさに「今ある火を消す」ためのアプローチです。

  • ピラティスの鎮痛メカニズム:運動連動性の正常化 多くの痛みは、特定の関節(例えば腰椎の4番・5番など)にばかり負荷が集中することで起こります。ピラティスは、「動かない関節(胸椎など)」を動くようにし、「動きすぎている関節(腰椎など)」をインナーマッスルで保護します。全身の200個以上の骨と600個以上の筋肉を協調させて動かすことで、一点にかかっていた物理的ストレスを全身に分散させます。これが「痛みの出ない身体」を作る根本解決の仕組みです。

2-3 姿勢改善:パッシブ(受動的)とアクティブ(能動的)の質的違い

「猫背」や「反り腰」の改善において、この2つのアプローチは「積み木」と「建築」ほどの違いがあります。

  • 整体での姿勢改善:外側からの配置修正 施術者が、歪んだ骨盤や背骨を正しい場所へと押し戻します。これは「積み木」を外から整えるようなものです。見た目は一時的に綺麗になりますが、それを支える「重力に抗う筋力」が眠ったままでは、立ち上がって重力を受けた瞬間に積み木は崩れ始めます。

  • ピラティスでの姿勢改善:内側からの軸の伸展(エロンゲーション) 自分のインナーマッスルを使い、背骨を上下に引き延ばす「エロンゲーション」の感覚を養います。これは「自力で建物の柱を強化する」作業です。ピラティスでは、立っている時、座っている時、歩いている時、常に自分の筋力で骨格をベストな位置にホールドする術を学びます。その結果、無意識でも「機能的で崩れない美しさ」が手に入ります。

2-4 体型変化とボディメイクへの影響

「痩せたい」「身体のラインを整えたい」という目的においては、筋肉への作用が重要になります。

  • 整体のボディメイク効果:むくみ解消とアライメント調整 整体に直接的な脂肪燃焼効果はありません。しかし、骨盤の傾きを整えることで、ポッコリ出ていたお腹がスッキリ見えたり、リンパの流れが良くなって脚のむくみが取れたりといった、副次的な変化は期待できます。

  • ピラティスのボディメイク効果:筋肉の質の変化と代謝向上 ピラティスは、筋肉を太くするのではなく「細く長く使う」訓練をします。特に深層部のインナーマッスルが鍛えられることで、ウエストのくびれや、手足が長く見えるといった視覚的な変化が顕著に現れます。また、正しい姿勢で日常を送るだけで、使う筋肉の種類が増え、基礎代謝が大幅に向上するため、長期的に「太りにくい身体」へと変化します。

POINT 2

整体で「身体が軽くなった」と感じたとき、そこで満足してはいけません。piquéが推奨するのは、その「軽い状態」で自分の身体がどう感じているかを細かく観察することです。「あ、今の骨盤はこんなに真っ直ぐなんだ」「呼吸がこんなに深く入るんだ」という、整体で得たポジティブな感覚を、ピラティスの運動によって脳に深く刻み込む。この「感覚の解像度」を高める作業が、プロの手なしでは生きていけない身体からの卒業を早めます。

第3章 目的別|ピラティスと整体どっちを選ぶべき?判断基準を徹底解説

「今の自分にはどちらが必要か」を判断するために、具体的なシチュエーション、身体の痛みレベル、そして「最終的にどうなりたいか」というゴール設定から導き出す、科学的根拠に基づいた選択基準を提示します。

3-1 身体の「SOSサイン」から選ぶ即断基準

まずは、現在の身体が発している症状の強さで判断しましょう。

  • 「整体」を優先すべきケース(救急・緩和フェーズ)

  • 急性の激痛: ぎっくり腰、寝違え、四十肩・五十肩の炎症期など、特定の動作で激痛が走る場合。

  • 可動域の極端な制限: 「腕が肩より上に上がらない」「首が全く左右に振れない」など、物理的にロックがかかっている状態。

  • 自力で動く気力がゼロ: 極度の肉体疲労、睡眠不足、自律神経の乱れにより、運動という「能動的努力」が苦痛でしかない場合。

  • 理由: 強い痛みや炎症がある状態でピラティスを行うと、脳は「痛みから守るための不自然な動き(代償動作)」を学習してしまい、かえって歪みを悪化させるリスクがあります。まずは整体で「火を消す」ことが先決です。

  • 「ピラティス」を優先すべきケース(根本改善・強化フェーズ)

  • 慢性的な重だるさ: 夕方になると肩が凝る、デスクワークで腰が重いといった、日常生活の習慣に起因する不調。

  • 姿勢の悩み: 猫背、反り腰、巻き肩、ストレートネックなど、見た目の改善を強く望む場合。

  • 繰り返す不調: 整体やマッサージに行くとその場は楽になるが、数日で元の状態に戻ってしまう場合。

  • パフォーマンス向上: 産後の体型戻し、ゴルフの飛距離アップ、疲れにくい身体作りなど、明確な目的がある場合。

  • 理由: これらの原因は「特定の筋肉のサボり」や「骨格を支える筋力の低下」にあります。外から整えてもらうだけでは解決せず、自力で筋肉の使い方を再学習するピラティスが唯一の解決策となります。

3-2 ライフスタイルと「投資対効果」から選ぶ

費用と時間の使い方の観点からも、両者には大きな違いがあります。

比較項目

整体(受動的アプローチ)

ピラティス(能動的アプローチ)

通う頻度

不調を感じた時(都度)

週1〜2回(習慣化が必要)

短期的な体感

施術直後に最大の変化を感じる

レッスン翌日の筋肉痛や心地よさ

長期的な体感

通い続けないと状態が維持できない

3ヶ月後、明らかに身体の使い方が変わる

スキル習得

なし(施術者への依存)

あり(一生モノの身体操作術)

コスト構造

「消費」としての支払い

「投資」としての支払い

  • 「タイパ(時間対効果)」重視なら整体: 忙しい日常の中で、60分寝ているだけでリセットが完了する整体は非常に効率的です。

  • 「生涯コスト」の削減ならピラティス: ピラティスは一度コツを掴めば、24時間、一生自分の力で姿勢を管理できるようになります。将来的に整体や病院へ通う頻度が減ることを考えると、圧倒的に利回りの良い投資といえます。

3-3 深掘り:特定の悩みに対する最短ルート

  • 【産後の骨盤ケア】 骨盤が「開いている」こと以上に、骨盤底筋群という「底」の筋肉が機能していないことが問題です。整体で骨盤を「締める」施術をしても、内側から支える筋肉が働かなければ、内臓の重みで再び歪みます。最短ルートはピラティスです。

  • 【O脚・X脚の改善】 脚のラインは、足首、膝、そして股関節の向きの連動で決まります。整体で関節の捻じれを解くことは非常に有効ですが、歩くたびにその捻じれを再発させているのはあなたの歩き癖です。整体で「制限」を解除し、ピラティスで「正しい歩行」を脳に学習させる併用プランが最強です。

  • 【ストレートネック・スマホ首】 首だけを揉んでも解決しません。土台となる胸郭(肋骨周り)が固まり、頭を支えるインナーマッスルが眠っていることが原因です。自分の力で背骨を引き伸ばす(エロンゲーション)ピラティスが、最も確実な改善策となります。

POINT 3

ずっと整体に通い続ける自分、あるいはずっと誰かに指導してもらわないと動けない自分。それはまだ、身体の主導権を他人に渡している状態です。piquéが提唱するのは、整体を「きっかけ」にし、ピラティスを「手段」として、最終的に自分自身でコンディションを整えられるようになること。これが、本質的な健康への卒業試験です。

第4章 整体とピラティスの併用|効果を最大化する黄金のスケジュール

「どちらか一つに絞る」のではなく、両者の長所を組み合わせることで、身体の変化は10倍速くなります。しかし、適当に組み合わせれば良いわけではありません。プロの視点から、解剖学的に最も理にかなった「併用のルール」を徹底解説します。

4-1 「整地」してから「建築」する:順序の鉄則

家を建てる時に、地盤がドロドロのまま柱を立てる大工はいません。身体も同じです。

  • ステップ1:整体による「リセット(整地)」 長年の癖で固着した筋膜(ファシア)や、癒着した関節の「遊び」を、まずはプロの手で剥がします。自力ではどうしても届かない深部の硬結を取り除くことで、身体が動ける状態を作ります。

  • ステップ2:ピラティスによる「再構築(建築)」 整体で可動域が広がった「真っ新な状態」の身体に、正しい筋肉の使い方を教え込みます。緩めるだけでは身体は再び歪みますが、そこに「支える筋力」を加えることで、初めて良い状態が定着します。

この「整体が先、ピラティスが後」という順序を守るだけで、ピラティス中のインナーマッスルの入り方が劇的に変わります。

4-2 ベストな通院・レッスン間隔のシミュレーション

具体的にどのようなサイクルで通うのが、脳と筋肉にとって最も効率的なのか。3つのフェーズに分けて解説します。

① 集中改善期(1ヶ月目〜2ヶ月目)

  • 目的: 長年の悪い癖を破壊し、新しい「正しい姿勢」の土台を作る。

  • 頻度: 整体を隔週(2週に1回)、ピラティスを週1〜2回。

  • ポイント: 整体の「当日〜3日以内」にピラティスを入れてください。整体でブレーキが外れた直後に正しい動きを脳に学習させることが、リバウンドを防ぐ最大の秘訣です。

② 安定定着期(3ヶ月目〜半年)

  • 目的: 無意識でも正しい姿勢をキープできる「身体のOS」を完成させる。

  • 頻度: 整体を月1回(定期メンテナンス)、ピラティスを週1回。

  • ポイント: この時期になると、ピラティス中に「今日はここが硬いな」と自分の不調に気づけるようになります。その感覚を整体師に伝えることで、施術の精度も飛躍的に向上します。

③ メンテナンス期(半年以降)

  • 目的: 良い状態を生涯維持し、パフォーマンスを向上させ続ける。

  • 頻度: ピラティスを週1回〜隔週。整体は「季節の変わり目」や「疲れが溜まった時」のみ。

  • ポイント: 最終的には、自分自身の筋肉(ピラティス)でコンディションを維持し、整体は「自分では届かない背中の裏側のリセット」として贅沢に活用する形が理想です。

4-3 併用する際の「避けるべき間違い」

  • 「整体直後のハードなトレーニング」はNG: 整体で骨格を矯正した直後は、神経の伝達経路が変化しており、身体が非常にデリケートです。直後に激しすぎる運動をすると、防御反応で筋肉が余計に固まってしまうことがあります。ピラティスのような低負荷・高集中のエクササイズが、矯正後の身体には最も適しています。

  • 「情報の分断」はNG: 整体師とピラティスインストラクター、それぞれに「今はもう一方でもこういうケアを受けている」と伝えてください。連携が取れることで、あなたの身体に対する「多角的アプローチ」が可能になります。

4-4 コストを抑えて最大の効果を得る裏技

両方に通うのは経済的負担が大きいという方には、以下の「ピラティス主導型」の通い方を推奨します。

  1. まずはピラティスに通う: 自分の身体の「どこが動かないか」を明確にする。

  2. 動かない部分だけを整体でターゲット: 漫然と全身を揉んでもらうのではなく、整体師に「ピラティスで股関節のここが詰まると言われたので、重点的にリリースしてほしい」とオーダーする。

これにより、整体の施術時間を短縮でき、よりピンポイントで効果的な改善が望めます。

POINT 4

整体で身体を整えてもらった直後の「あの軽さ」を、単なるラッキーで終わらせてはいけません。施術室を出る前に、一度深くピラティスの呼吸を行い、整った骨盤の位置を自分の脳に「スキャン」してください。このわずか30秒の「能動的な意識の介入」が、数万円の整体代を「一時のリラックス」から「永続的な身体の進化」へと変えるのです。

第5章 専門資格とスタジオ選びの落とし穴|本物を見極める基準

「どこへ行っても同じ」ではありません。整体もピラティスも、業界の構造上、技術力の差が激しいのが現実です。あなたの大切な身体を預けるべき「本物」を見極めるための、具体的かつシビアなチェックリストを提示します。

5-1 ピラティススタジオ選び:マシンと資格の重要性

ピラティスにはマットとマシンの2種類がありますが、根本改善を望むなら迷わず「マシン(リフォーマー等)」を完備したスタジオを選んでください。

  • マシンの有無: マットピラティスは自分の筋力だけで姿勢を制御する必要があり、初心者には難易度が高すぎます。マシンはバネの抵抗が「補助」と「負荷」の両面で働き、正しい筋肉のスイッチを正確に入れさせてくれます。

  • 保有資格の確認: 「ピラティス指導者」に国家資格はありません。以下の国際的な認定校の資格を保持しているかが、一つの信頼の目安になります。

  • PMA (Pilates Method Alliance) 認定

  • STOTT PILATES(解剖学に非常に厳しい)

  • PHI Pilates(リハビリテーションに強い)

  • BASI Pilates(フローと科学的アプローチの融合)

5-2 整体・治療院選び:医学的根拠と「卒業」の有無

整体選びで最も注意すべきは、リラクゼーション(癒やし)と治療(改善)を混同しないことです。

  • 問診と検査に時間をかけているか: いきなりベッドに寝かせ、揉み始める場所は避けましょう。立位での姿勢分析、関節の可動域テスト、筋力テストを行い、「なぜそこが痛むのか」の原因を論理的に説明できる治療院を選んでください。

  • 「卒業」を提案してくれるか: 良心的な院は、通院の終わりを明確にします。「一生通ってください」ではなく、「自力で維持できるまで伴走します」というスタンスの場所が、真の根本改善を提供しています。

5-3 共通して避けるべき「NGサイン」

  • 回数券の押し売りが強引: 初回の体験直後に、高額な回数券の購入を執拗に迫る場所は、あなたの身体よりも経営を優先しています。

  • 「ここに来ればすべて治る」という断言: 人間の身体は複雑です。「これだけで完治する」と断言する専門家は、逆に言えばそれ以外の可能性を排除しており、柔軟な対応が期待できません。

5-4 インストラクター・施術者との「相性」を測る質問

体験の際、以下の質問を投げかけてみてください。

「私の身体の癖を一つ挙げるならどこですか?また、それを日常でどう意識すればいいですか?」

この問いに対し、即座に、かつあなたが納得できる具体的な回答(例:右足の重心が外に逃げている、呼吸時に肋骨が上がっている等)をくれる人は、あなたの身体を正確に分析できています。

POINT 5

良いスタジオや院を選ぶということは、あなたの「身体の専属コンサルタント」を雇うことと同じです。自分の感覚だけでは見えない「背後からの視点」を貸してくれるプロを選んでください。piquéが推奨するのは、複数の場所で体験を受け、最も「自分の身体に対する発見」が多かった場所を選ぶことです。

第6章 10年後の身体を守るためのセルフマネジメント術

最後に、ピラティスや整体で得た変化を「一生モノ」にするための、具体的な習慣化のコツを整理します。

6-1 「意識」を「無意識」に変える3つのステップ

プロの指導を受けた直後は意識できても、日常に戻れば忘れてしまうのが人間です。以下のステップで「正しい姿勢」を脳に定着させます。

  1. 環境設定: PCのモニターを目線の高さに合わせる、椅子の座面に骨盤を立てるクッションを置くなど、意識しなくても崩れない環境を物理的に作ります。

  2. アラームの設定: 1時間に1回、深呼吸をして背骨を伸ばす(エロンゲーション)タイミングを作ります。

  3. 10秒ワーク: 整体やピラティスで習った「最も重要なワーク」を1つだけ選び、歯磨き中や信号待ちの10秒間に行います。

6-2 自分の身体の「予兆」に気づく力

不調が深刻化する前に、自分で微調整できる能力を養うことが自律への一歩です。

  • 「今日は左の靴底の外側がいつもより減っている」

  • 「呼吸が浅く、肋骨が固まっている気がする」 こうした小さな気づきを、整体に行くか、自分でピラティスを強化するかを判断する基準にしてください。

6-3 総括:ピラティスと整体を「使い分ける」賢い生き方

  • 整体: 自力ではどうにもならない時の「レスキュー」であり、身体の「大掃除」です。

  • ピラティス: 日々の「メンテナンス」であり、不調を寄せ付けないための「身体のアップグレード」です。

他人に身を委ねる時間と、自分で身体を操る時間のバランス。これこそが、10年後、20年後も軽やかに動き続けられる身体を作るための、唯一の戦略です。

POINT 6

最終的なゴールは、あなたが専門家のアドバイスなしでも、自分の身体の調子を読み取り、自分で自分を整えられるようになることです。整体で整えた土台を、ピラティスの知性で維持する。このサイクルを回し始めた瞬間から、あなたの身体は「衰えるもの」から「磨き上げるもの」へと変わります。

Type Something

この記事の監修者

監修者 韓梨瑛の写真

川上莉奈

piqué pilatesインストラクター

【保有資格】
・PHI Pilates Instructor 取得

【プロフィール/経歴】
piqué pilatesの在籍インストラクター。
幼少期からクラシックバレエを習い、大学を卒業後はヨガ・ピラティスのインストラクターとしてレッスン指導をメインに、店舗運営に携わる。
その後、人材業界にて企業の求人出稿や母集団形成をメインに、幅広い業種・職種の採用支援を経験。
現在はpiqué pilatesにて採用・研修マネージャーとして、社内研修の企画・実施および採用面接を担当している。

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